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ヴァレンタインから一週間
第15話 これは、俺の戦い
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が有るから。
 そもそも、自分が何故、自発的にそう思ったのかを理解しなかったら、思念体の命令に従っていた時の彼女と何も変わる事は有りません。
 彼女には、……これから先の彼女の人生は、彼女に選んで貰う。造られた存在の彼女ですが、俺からの霊力の補充が続く限り、彼女が消えて仕舞う可能性は既に無くなっていますから。

 それに実際問題として、この作戦はかなりの危険が伴います。もっとも、相手がメチャクチャな存在ですから、この程度の作戦しか思い付かなかったのですから。

「それに、ラゴウ星やケイト星が顕われたのです。伴星や、無関係ですが、ヤツ等の邪気に当てられた妖魔や悪霊どもが活性化して動き出しているはずです。
 水晶宮の人間は、その対処に忙しいのではないですか?」

 西宮の図書館で見つけた伝承に記載は有りませんでした。しかし、ラゴウ星、ケイト星共に、それぞれ伴星と呼ばれる魔星君が付き従っていたはずです。それに、ヤツ等の邪気に当てられた連中が動き出したとしても、何の不思議も有りません。
 昨夜、俺たちと万結が出会ったのも、そんな連中が動き出す事を予想した水晶宮の判断、もしくは、彼女自身の判断で動いていたのでしょうから。

 それに、前回の地脈の龍事件の時は、日本各地に封印されていた妖魔や悪霊がどんどん活性化して大暴れしていたのです。現在、その地脈の龍自体が、大地に根差した地脈の中には存在せずに、インターネット内に新たに社を勧進されて祀られている以上、この日本の地に封じられている悪しきモノ達は、些細な切っ掛けで直ぐに現界する可能性を秘めているはずなのですから。

 そんな状態の時に、ラゴウ星のような世界的な神話級の悪神が顕現したとすると……。

 水晶宮の長史たる和田亮と言う名前の青年は何も答えなかった。但し、陰の気を発して居る訳では無い。これは、おそらく俺の言葉は、彼の想定内の言葉と成っていると言う事。
 ならば、この交渉の結果も、俺の考えた結果へと辿り着くはず。

 そう考えながら、俺は更に続けて、

「この世界にも、闇の救世主事件や地脈の龍事件が起きた。そう考えて問題ないのでしょう、水晶宮の長史?」

 そう問い掛けたのでした。
 そう。そのどちらの事件も、黙示録を引き起こしたとしても不思議では無かった事件。特に、最初の事件、闇の救世主事件の際に起きた事象によって、各地の妖魔や、悪霊達を封じた封印は、すべて無効化されています。

 何故ならば受肉したアスタロト。つまり、バビロンの大淫婦と称すべき存在の魔力も、そして存在の力すべても吸いつくした救世主……いや、破壊神が顕現しようとした事件だったらしいですから。
 救世主を誕生させる儀式……処女受胎によって。
 その存在が誕生した瞬間に、黙示録が始まり、そして世
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