第15話 これは、俺の戦い
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と正反対の意味に聞こえる台詞で有った。
一瞬の沈黙。そして、
「倒す事が難しい存在を、捕らえる事は更に難しいと思われる」
俺の右側に腰を下ろす少女が、ぽつり、と独り言を呟くかのような雰囲気でそう言った。
但し、彼女が発して居る雰囲気はどちらかと言うなら、陽に属する雰囲気。
そして、彼女の方に向き直る俺の顔を正面から見つめた後、ゆっくりと一度、瞳を閉じる有希。
まるで、自らの想いを纏めるかのような時間の後、再び、俺を見つめるその瞳には、覚悟を決めた者の如き強い力が宿っていた。
彼女が発して居る陽の気は、おそらく、先ほどの俺の実現不可能だと思われる言葉から、対ラゴウ星戦闘に、俺が前線での戦闘に参加する道が閉ざされたと思ったから。
つまり、彼女は、昨日の夕刻に自ら語った言葉。わたしを助ける必要などない、と言う言葉を、暗に俺に告げて居ると言う事。
しかし、
「有希。俺達、龍族。いや、仙族に属する存在が、何故、仙術と言う魔法が使用可能なのか知って居るか?」
唐突に、更に意味不明な問い掛けを行う俺。
そう。この場で俺の言葉から、俺が対ラゴウ星戦闘に参加する事が出来ないと判断したのは彼女のみ。その他の誰も、そんな判断は下していません。
俺の問い掛けに対して、ふるふると首を横に振る有希。これは、否定。
「俺達仙族に所属する存在が仙術を使用出来るのは、仙骨と言う仙術を使用出来る才能が有るから」
この場で、仙骨に関する知識がないのはおそらく彼女だけでしょうから、有希に対してそう説明を開始する俺。
もっとも、才能と表現しては居ますが、かなりの生命体。いや、それ以外にも器物などにも宿る可能性が有るので、そう珍しい能力と言う訳ではないのですが。
そうして、更に続けて、
「そして当然のようにラゴウ星、ケイト星共に、仙族から神籍を得ている以上、仙族として仙術を行使する」
他の神族の例は知りません。しかし、仙族出身の神ならば、それが例え邪神で有ったとしても仙術行使するのに必要な才能は……。
「故に、仙骨を封じたら仙術は行使出来なくなる、と言う事」
かなり簡単な事のように、俺はそう話を締め括った。
ただ、おそらく、ラゴウ星、ケイト星、それぞれの仙骨を封じる必要が有るのですが。
「その他にも、左右の琵琶骨を封じて置くべき」
俺の作戦を黙って聞いていた万結、補足するかのように、そう続けた。
成るほど。仙術を行使する上で、必ず、この琵琶骨は霊力が通る道となる。つまり、この部分を何らかの方法で封じたら、術が安定して発動出来なくなると言う訳か。
「つまり、人間の例で説明するならば、頸椎二番と仙骨。それに、左右の鎖骨の辺りを何らか
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