第15話 これは、俺の戦い
[5/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
た当事者だからと言っても、俺程度の人間が一日で調べられるレベルの情報を、水晶宮の関係者が知らないはずは有りませんから。
「現在のケイト星の姿形。首のない黒い身体を持つ邪神ならば、晴明桔梗が通用する可能性が高いと思います。そして、ラゴウ星が異界化をさせる地点が判っているのならば、その地点に晴明桔梗を画いて置けば、ヤツの能力を抑える事は可能でしょう」
晴明桔梗。いや、この場合は、エルダー・サインと言うべきですか。
このエルダー・サインと言う印形は、伝承では、クトゥルフ神族に属する連中の能力を完全に抑える事が出来ると言われている印形ですが、仮にそこまでの能力は持っていなかったとしても、多少の能力ダウンは見込めると思います。
「ラゴウ星が顕われる予定の夜までに、ヤツが顕われる可能性の有る地点を中心にして巨大な晴明桔梗を画いて置き、ヤツが顕われると同時に其処に霊力を流し込む事に因って、ヤツに不利な。そして、コチラに有利な陣へと為す」
完全に、結界の内側に捕らえ続ける事は無理でも、俺が戦えるレベルにまで相手の能力ダウンをしてくれたら問題は有りませんから。まして、その為に大地の精霊ノームに、宝石を集めて貰っているのです。
流石にラゴウ星のような存在を抑える結界の、それぞれの頂点に配置する結界の要とする結界材には、宝石のような貴石を使用するしか方法が有りませんから。
本来は、すべて俺一人で為す心算でしたからね。
しかし、
「例え、其処に伝承で語られる一目連の属性を貴方が持たされていたとしても、それだけでは足りない」
冷静な、それだけにキツイ台詞を口にする万結。まして、それは事実です。
但し、事実で有るが故に、この反論も当然、想定済み。
「確かに、伝承上に語られる邪神ラーフにはそれでは届かない。まして、ヤツは不死身の存在。それも、現在、宇宙の彼方から地球目指してかっ飛んで来ているような、トンでもないレベルの化け物を倒すのはかなり難しいとは思う」
俺の実力では、この目の前の水晶宮の長史の能力どころか、龍将と呼ばれる存在たちの足元にさえ届かないのは確実。普通に考えるのならば、彼らを押し除けて、俺が対ラゴウ星戦闘の前面に出て行く事が許される訳は有りません。
しかし、それでも……。
俺は、再び自らの右側に座る少女を意識する。其処には、高次意識体らしき存在に造り出された人工生命体の少女が、俺と、和田亮、そして神代万結との交渉を見つめているだけで有った。
いや、先ほど感じて居た陰の気が、更に。ほんの少しずつでは有るが、確実に大きく成って来て居る。
「奴ら。ラゴウ星を捕らえる事ならば、可能だと思います」
そして、次の瞬間に俺が発した台詞は、先ほど、俺自身が口にした台詞
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ