第15話 これは、俺の戦い
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そう考えてから、先ず、俺の調査能力では土地神を封じられた現状では、この辺りの事情を知るには時間が掛かるので、この質問から開始する俺。それに、この部分が判っているのならば、ラゴウ星の現在の状況の類推と、ヤツが顕われる場所を予測する事が出来ると思いますから。
「二月十四日。涼宮ハルヒに因り、彼女の通う東中学内の各所に何らかの呪符が貼られると言う事件が発生。当然、学校側に因り、直後に呪符は剥がされた」
しかし、何故か俺が問い掛けた龍種の長史たる和田亮ではなく、それまで、完全に傍観者の如き雰囲気で俺や有希と和田さんのやり取りをただ見つめていただけの神代万結がそう答えた。有希と同じ、抑揚の少ない平坦な口調と、感情を表す事のない透明な、それでいて酷く作り物めいた容貌で。
彼女も、おそらくは有希と同じような出自の少女なのでしょう。まして、仙族ならば、那托と言う人工生命体は存在して居ますから。
もっとも、知識としてなら知って居ますが、実際に出会ったのは初めての経験ですが。
……いや、有希に次いで、二度目の経験ですか。
それにしても……。
「また、涼宮ハルヒですか」
少しため息交じりに、そのやや疲れた雰囲気の台詞を呟く俺。
あの図書館で出会った不思議な少女は、黒き豊穣の女神の因子を植え付けられた存在かどうかは今のトコロ判りませんが、少なくとも、とんでもないレベルのトラブル・メーカーで有る事だけは確かでしょう。
但し、彼女が貼った呪符の種類か内容に意味が有ったのか、それとも、彼女……涼宮ハルヒと言う少女が何かを行ったと言う事に意味が有るのかが、呪符が剥がされた後では判らないのですが。
もっとも、状況証拠から考えると、彼女が、其処に怪しげな呪符を貼ったと言う行為に意味が有ったと推測した方が良いとは思いますけどね。
「それならば、現在のケイト星はヤツの存在する魔界に潜み、ラゴウ星が地球に最接近する直前に、その東中学周辺が異界化する可能性が高いと俺は思います」
ラゴウ星とケイト星は二柱が合わさって、初めてその全能力を発揮出来る邪神。そんな存在が、どちらか片方だけで現世をウロウロしている訳は有りません。その為に、最初に土地神を封じたはずですから。それならば、現在は双方とも簡単に手出しの出来ない場所。彼らの支配する魔界に存在し、時期が来たら、その彼らに縁の深い場所を異界化させて顕われる事と成るのでしょう。
二柱が完全に合一して、インドの伝承にて語られる不死身の邪神ラーフとして復活する。
「場所が判った所で、ラゴウ星に対して効果のある罠は……」
再び、口を挟んで来る万結。しかし、どうやら、これは俺の才を知る為の試しのような気がして来ましたね。
何故ならば、如何に事件発生時から関わらされ
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