第64話 そして、勇者の帰還へ・・・
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ました」
少女の答えは、俺の想像を超えた内容だった。
「いったい、なにがあったのだ!」
俺は思わず立ち上がってしまった。
「アーベル。座りなさい」
ソフィアが俺をなだめる。
「お見合いの席で、がっついてはだめよ」
「母さん。先ほど言ったことと逆ですが」
「冗談よ、冗談」
ソフィアは残念そうな声で言っているが、無視する。
目の前の少女はからかわれたのを怒っているのか、顔を赤くしている。
後で、謝らせなければとおもいながら、俺はたずねる。
「大魔王が倒れたあとの事を、教えてくれ」
少女は頷いて話してくれた。
「私がよみがえると、既に大魔王が倒された後でした」
この少女は、モンスターに倒されると、戦闘が終わるたびに復活させられたとのことだった。
タンタルのときよりも、扱いがいいのか悪いのか判断がつかないが、絶対評価では悪いことにはちがいない。
「大魔王の断末魔とともに、城は崩れ去りました」
少女はたんたんと話していく。
「その後、崩壊した床に、私達は飲み込まれました」
ここまでは、ゲーム内容と変わらない。
「気がつくと、洞窟の中にいました。ただし、私だけでした」
なるほど、とソフィアはうなずく。
だが、これだけで3姉妹が消えたという判断は出来ない。
「消えたと判断した理由は、他にありますか?」
俺の質問に微笑みながら応える。
「これをご覧下さい」
少女は、袋の中から光る玉を取り出した。
「光の玉」
「長女が持っていました。それ以外にも」
今度は、青い正八面体の石を取り出す。
「賢者の石です。三女が持っていました」
最後にと、少女は袋から布地を取り出す。水着か?
「魔法のビキニです。次女が身につけていました」
確かこのビキニは、下の世界の海洋モンスターが落とすアイテムだったはずだ。
冒険の途中で入手したのだろうか。
それにしても、なぜ、モンスターがこんなアイテムを持っているのだろうか。
俺が興味深そうに水着を眺めると、
「アーベル、女の子の前でじろじろ水着を見るのはどうかと思うわ」
ソフィアが指摘する。
ふと、視線を移すと目の前の少女は顔を赤くして、俺を非難めいた目で見つめている。
誤解を受けている気がするが、確認する方が先だ。
「これらの品は、何処で入手したのかな」
「気がついたら、私の袋に入っていました。すべてが」
「・・・。すべてか」
俺は念のため確認する。
「はい、そうです」
ならば、消えたという表現は妥当だろう。
あとは、何処に消えたか、何故消えたかということになるが、目の前の少女は知らないだろう。
「それに、確認しました」
「確認?」
「かつて、ルビス様に仕えていた妖精から話を聞きました」
たしか、勇
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