第64話 そして、勇者の帰還へ・・・
[2/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
頼した老人と俺のお話によって、解放してもらえることになった。
エレンズ先輩は、俺に対してお礼を言うと、しばらく住んでいたことのあるポルトガでしばらく生活することを伝え、俺はエレンズ先輩をロマリアまで送ることにした。
俺の父親が死んだことを知ったエレンズ先輩は、俺のことをやさしくなぐさめてくれた。
俺は、セレンとテルルに何を話せばいいのかわからなかった。
ただ、2人は、俺が何のために冒険したのかは理解したようだった。
そして、その冒険が失敗に終わったことも。
セレンとテルルは、俺が特訓めいたことをしていることを聞き、俺に手伝いたいと言ってきた。
「俺は、3姉妹を倒したい」
俺は答える。
魔王を倒し、そして大魔王を倒すであろう勇者一行を倒す。
そんなことをすればどうなるか、あきらかだ。
だから、俺たちからは攻撃することはできない。
俺は、そのような危険に2人を巻き込みたくなかった。
それに、3姉妹を倒しても何の解決にもならない。
だが、2人がいなければ俺は何も出来ないのも事実だ。
「襲われたら、助けるわよ」
「今度こそ、回復役をまかせてください」
テルルとセレンは、答えてくれた。
とはいえ、3姉妹がいつアリアハンに出現するのか、わからない。
セレンは教会の手伝いを、テルルはキセノン商会の手伝いをしていた。
結局、特訓は無駄に終わった。
父親が殺されてから一月後に、勇者が、アリアハンに戻ったからだ。
1人で。
勇者が発見されたのは、アリアハンの入り口だった。
倒れていたところを衛兵が発見し、確保した。
勇者のこれまでの旅を聞き取るため、母ソフィアと何故か俺も呼ばれていた。
「母さんは宮廷魔術師なのでわかるけど」
「アーベル、あなたは海軍司令官なのよ」
「でも、それはロマリアの」
「この前、王様にその話をしたらアリアハンでも任命する話になったわ」
ソフィアは俺に辞令書を手渡す。
何を勝手に決めたのだと思ったが、追及するのはやめた。
現在俺が使用している船は、ロマリア王国所有の船だ。
俺が船を勝手に使用しても問題ないように、ジンクが用意してくれた役職がロマリア海軍司令官だった。
肩書きとしては、おおげさではあるが、ロマリア保有の船が1隻なので問題ない。
それに、元国王であったこと、ポルトガ海軍との協力で船を取り戻した事から、ロマリア国民からも文句はでなかった。
もともと、ポルトガから船を入手したのも俺だった。
一方アリアハン海軍も、ロマリアと事情は一緒である。
国が所有する船が1隻しかなく、その船も勇者を誘拐した3姉妹が強奪した。
この時点で、俺が海軍司令官に任命された理由はただ一つ。
奪われた船の奪還である。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ