第12話
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音を聞く。中に空洞があることを確認した俺は壁を手刀で切る。壁が崩れると奥には首輪や鎖で繋がれた女性や少女達がいた。 俺は彼女達の首輪や鎖を外して行く。
全ての女性を解放して、助けた少女がいる部屋に戻ると、軍服を着た赤い髪で眼帯を着けた女性とその部下と軍帽を被った上級将校がいた。
「・・・・?・・・様?・・客様?」
俺は体を揺すられて眼を開く。すると、そこには美人のキャビンアテンダント(以後CA)さんがいた。
「お客様?大丈夫ですか?何や、魘されておりましたが?」
「あ・・れ?ああ!そうか、俺は機内で眠っていたのか」
「はい。お客様は飛行機の中で眠っておられたのですよ。ファーストクラスは貸し切りでしたので、お客様がいませんでしたが」
俺は寝ぼけ眼を擦る。
改めて見ると飛行機の機内であった。
このCAさんはファーストクラス専属のCAさんだ。まあ、今は俺しかお客がいないため、俺専属みたいになっているが。
「お客様。お飲み物はいりますか?」
「すまない。水をいただけるかな?」
「はい。かしこまりました」
CAさんは移動販売に使う台車?から水をコップに注いで持ってきてくれた。CAさんからコップを受け取り水を飲む。
乾いた喉に水が通っていき、頭が覚めてくる。
(ああ。そうか。ドイツに行く途中だったな。時差の関係で向こうに着くのは朝になるんだっな)
それで寝ていた事を思い出した。俺はシートを起こす。
「お客様。朝食はいかがですか?」
「ああ。もらおう。洋食で頼むよ」
「はい。かしこまりました」
CAさんは台車を引いて奥に下がって行った。朝食の準備をするのだろう。俺は懐から一枚の紙を取り出す。九鬼帝様が直筆で書かれた命令書だ。
(しかし、帝様にも困ったものだ。普通、娘の夫候補にこんな無茶な事を厳命するか?帝様の考えはイマイチ理解が出来ない)
俺は改めて命令書に眼を通す。命令書にはこうかかれている。
1、不動悠斗は九鬼家に相応しい男と認める為の試練を与える。
1、まずはドイツに向かい、ドイツ軍と合流して紛争、内戦に介入して名を上げよ。
1、娘、九鬼揚羽に相応しい男として、上記の者以外に嫁を見つけて来ること。(複数可)
1、その者(複数)と九鬼揚羽を幸せにするように、努力を惜しまぬこと。
以上を達成すれば九鬼の名を継がす事を許す。
まあ、要約するとこんな感じだな。他にも色々書いてあるが、大事なのはこの四点くらいだな。
(しかし、意味が分からないな。何故に揚羽様以外に嫁を見つける必要があるのだろうか?)
実は腹違いの娘の紋白を幸せになってもらいたいと思う九鬼帝の親心で、日本の法律を改正させる等の工作を裏からしていたとは、悠
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