第49話 そして、説得へ・・・(2)
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「お前が船を入手したこと、ソフィアの活躍でナジミの塔が奪回できたことが大きい」
わずかにいたキセノン商会の反対派も、何もできなくなったという。
「それなら、いいのですが」
「心配のようだな」
「ええ、ですから念のため協力をお願いします」
俺は、キセノンに提案する。
具体的には、勇者の武具をそろえるために必要な資金の援助要請である。
アリアハン国王が勇者に提供する装備品や資金はわずかなものである。
自分の強さにあった武具で戦う事で、冒険の経験を積むことを表向きの理由にしているが、結局は経費節減が目的である。
「わかった。資金はこちらで用意しよう」
「ありがとうございます」
「お前さんなら、自前で調達できるだろう」
「ロマリアでの在位が長すぎました」
俺は、残念そうな顔で説明する。
勇者の出発前に活動出来た期間は、結局、当初予定の半分である一年しかなかったのだ。
「一度、しっかり確認したかったのだが」
キセノンは改まった顔をする。
「ロマリア王位より優先する、お前の冒険の目的はなんだ?」
まっとうな、質問であった。
ロマリア王国在位中、魔王を撃退し、都市を開放した。
そして改革が進みつつある、ロマリア王国の国王に居座れば、たいていのものは手に入る。
それを捨てるほどに、俺の冒険は重要なのか。
「そうですね、いずれわかると思いますので、先ほどのお礼に説明しましょう」
俺は簡単に、下の世界の話をした。
「そうなのか」
「事実です。他言は無用ですが」
「それにしても、いつ気がついた?」
「確信したのは、下の世界にいく直前ですが」
さすがに前の世界とは言えないので、ごまかすことにする。
「これを調べたときに、ある程度予測をしていました」
俺は手にしていた、キメラの翼を左右に振った。
「どういうことだ?」
「俺は、キメラの翼をどうやって入手するのか知っていました」
「そうだな」
「ですが、キメラというモンスターがなぜいないのか、疑問に思いました」
「あれは、伝説のモンスターだろう?」
セレンの父親は優秀な冒険者だ。
この世界のモンスターのほぼ全てを知っている。
いないのであれば、伝説のモンスターになる。
「俺達は見ました」
「下の世界で・・・か」
「空を飛ぶことができると考えると、昔は、空を飛んで移動したと推測したのです」
「では、なぜ今はいない」
キセノンは追究する。
「魔王の存在です」
「魔王の存在?」
「今の魔王はバラモスです」
「そうだな」
「ですが、魔王は1人ではないとしたらどうします」
「1人ではないだと?」
「人間も、職業によって使用できる呪文が違うように、率いることのできるモンスターが魔王ごとに異なるのではないかと考えました
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