第32話 だって、友達なんだから
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か」
なのはもにっこりと微笑み返し、純吾が階段から立ち上がる手助けをするために手を伸ばす。
差し出された小さな手を純吾は迷うことなく掴み、それから、一緒に神社の境内を後にするのだった。
純吾達が神社から去ってしばらくして、一匹の子狐が境内に姿を現した。
つぶらで小さな黒い瞳と、黄金色のつやつやとした毛並みのその子狐は足取りも軽やかに先ほどまで純吾達が座っていた場所へと向かう。
それからしばらく、一匹孤独に、2人が去っていった方向を見つめる子狐。
「……なの、は」
と、どこからか鈴の鳴るような、小さな子供の声が聞こえてきた。
いいや、どこからかというのは違う。その声は、間違いなく、その子狐から漏れたものだった。
「…じゅん、ご」
聞き耳を立てていたからこそわかった、先ほどの2人の名前を呟く子狐。「じゅんご」という名前を呟いた時、何かあったのか、不思議そうに首をかしげる。
そして最後に、その場にいなかったはずの誰かの名前を、まるでいとしい人の名前を呼ぶかのように呟くのだった。
「………や、た?」
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