第32話 だって、友達なんだから
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に、居場所がなくなったら」
「そっか。それが、純吾君の考えてた、事なんだね……」
今自分が答えた事を咀嚼するかのような、緩慢と言葉を区切りながら喋るなのはの声に純吾は首を縦に振る。
どうしても言えなかった自分の悩み、それを話してしまった。後は、この隣にいる少女がどう感じるか……
「ねぇ純吾君。ちょっと、こっち向いてくれないかな?」
先ほどとは打って変わって、猫なで声でなのはが純吾に声をかけた。
その変化を不思議に思って顔をあげた純吾の頬を、なのはは思い切り引っ張り上げた。
「おぉ、すっごい伸びるの。それにさわり心地もとってもいいし……私より肌きめ細かいんじゃないかな?」
ぐにぐにとなのはは遠慮なく純吾の頬を引っ張り続ける。純吾は、楽しげに笑いながらそう洩らすなのはの目が、全く笑っていない事に気が付いた。
「それで、どうしてこんな事されてるか、純吾君分かってないでしょ」
「……ふぁふぁびひん、ふぁから(肌美人、だから)?」
そう言った瞬間、ギューっ! と今までより強い力で引っ張り上げられる。一層痛みが増して目を白黒させる純吾。
と、いきなり頬から手を離すなのは。ひりひりする頬をさすりながら、純吾はもう一度彼女の顔を見る。そこには、いかにも不満です、と言っているように頬を膨ます一人の少女。
「…ねぇ、私達の事そんなに信じられない?」
可愛らしく尖らせた唇からそう漏れた時、慌てて純吾は首を横に振る。そんなことは絶対にない。今まで、純吾は何度なのは達に助けてもらったか、感謝してもしきれないと思っている。
「…違う。ジュンゴ、なのは達の事、“仲間”だって思う」
「じゃあ、どうして私達にもっと頼ってくれないの?」
「できる事は、なるべく自分でする。そうすれば、みんな、みんなの事ができる。今まで、ずっとそうしてきたから」
「ふ〜ん。じゃあ、フェイトちゃんが今度来たら私がお話ししたほうがいいよね。だって、純吾君だと力加減ができないって言うし」
なのはの提案に、純吾は首を横に振った。言葉で返すよりも先に、自分でも分からないままにそうしていた。
「どうして? だって、純吾君は怖いんでしょ? なら私がするしかないじゃない」
「でも、なのは、危な「はい、そこまでだよ」……?」
純吾の言葉を遮り、思いっきり不満そうな顔をして、なのはは彼を睨む。
純吾が、自分達の事を大切に思ってくれている事はよく解った。
けれども、
「どうして、私達もおんなじ様に思ってるんだって事、分かってくれないのかなぁ」
そう言って、大きくため息を一つなのは。それを見て、不思議そうに首をかしげる純吾。
全くと言っていいほど自分のため息の理由に思い
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