第47話 そして、すごろく場へ・・・
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る男が、俺に話しかけてきた。
「前王様」
「名前で呼んで欲しいな」
周囲の視線が俺達に向けられたからだ。
「失礼しました、アーベル様」
「何があった?」
「王妃から、お手紙を預かっております」
「そうか」
俺は、使者から手紙を受け取ると内容を読んだ。
「しばらくしたら、顔を出すと伝えてくれ」
「かしこまりました。アーベル様」
使者はキメラの翼を取り出すと、どこかへ飛んでいった。
「大丈夫なの、アーベル?」
「テルル、大丈夫だ。急ぐ話ではない」
俺は、笑って答える。
手紙の内容であれば、すぐには問題ない。
だが、心のどこかで違和感を覚えていた。
「よし、これで8枚目」
「疲れましたね」
「そうだな。少し休むか」
俺達はピラミッドの入り口付近で、モンスターを倒していた。
今回の標的は、ミイラおとこにあった。
彼らが落とす、「すごろくけん」をある程度、あつめる必要があった。
目的はすごろく場のクリアではないため、何十枚も必要ないが、失敗して往復するのも面倒なので、とりあえず10枚を目標にしていた。
「まあ、後は俺の運の良さにかけてみるか」
俺達は、休憩を終えるとリレミト、ルーラを使って次の目的地に移動していた。
「モンスターは、なぜすごろくけんを持っているのか」
俺は新しい問題を考えていた。
「逃げることもできないのか」
俺は熊型のモンスターであるグリスリーの群れに囲まれていた。
パーティを組んでいれば、倒せない敵ではない。
だが、俺のそばには、誰もいない。
自分1人で全滅させなければならない。
「今は、俺しかいないのだ」
俺1人で倒さなければ、この先に進むことができない。
戦わなければならない。
グリスリーが俺にめがけて一斉に襲いかかる。
俺は、今俺が使える最強呪文「ベギラゴン」を唱える。
目の前の敵は崩れ落ちるが、左右の二匹はそのまま俺に爪で攻撃する。
通常ならまだ戦うことができたはずだが、先ほどの戦闘の傷も癒えていなかった。
どうやら、致命傷のようだ。
俺は、自分の体を支えることができず、前のめりに倒れ込む。
「・・・、済まない。セレン、テルル・・・」
俺の意識が遠のいていく。
「・・・、かあさん・・・」
「あらら・・・」
気がつくと、先ほどすごろく場の説明を聞いた男と再会した。
「やられちゃったみたいですね」
「・・・」
俺の傷は治っていた。
なぜか、MPも全快である。
「たとえすごろくといえども、油断は禁物です」
俺は黙って頷いた。
「このつぎはがんばってくださいね」
俺は仲間のもとに戻っていった。
「アーベル!」
「大丈夫?」
「ああ、なんとかね」
全快したはずな
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