第46話 そして、ラダトームへ・・・
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「準備はいいか」
「はい」
俺達は、出発前に必ず装備の確認をする。
「皆さん、まんげつそうはありますか?」
「大丈夫です」
まんげつそうは、マヒ攻撃を回復してくれる。
「キメラの翼もありますか?」
キメラの翼は移動魔法ルーラと同様の働きをする。
今回は初めて地下世界アレフガルドを本格的に冒険する。
普通であれば、魔王バラモスを倒してから訪れることになっている世界。
ゲームでも、これだけ低いレベルで冒険したことがないため、少し心配はしている。
キメラの翼があれば、戦闘中でもパーティ全体が脱出できる。
全滅の危機から脱出するための最終手段だ。
絶対に忘れてはいけない。
俺達は、ドムドーラを出発すると、北にあるラダトームを目指す。
結構距離があるが、俺は最初から全力でモンスターの殲滅を考えていた。
なぜ俺はここまで、ラダトーム行きを目指すのか。
この町にある装備品を入手するためだ。
「いくぞ、みんな」
「はい」
「了解です」
「今日は、張り切っているわね」
しばらく進むと空を飛ぶモンスターが俺達に襲いかかる。
「これが、キメラか」
「初めて見ました」
「そうね」
無理もない。
上の世界にはいない、モンスターだ。
だが、知名度は高い。
なぜか。
キメラの翼の存在だ。
俺達は、倒したキメラから入手したアイテムを眺める。
そして、自分が所持しているキメラの翼と同じようだ。
「ところで、キメラの翼はどうやって店頭にならんでいるか知っているかい?」
「さあ」
「知らないです」
「このキメラから、作られるのではないの」
タンタルとセレンは首をかしげ、セレンは商人として学んだ知識を披露する。
ちなみに、キメラは俺が覚えた火炎呪文「ベギラゴン」で丸焦げになっている。
肉の焦げたにおいが漂っている。
「俺もその話は知っている。でも疑問におもわないかい?」
「なにが?」
「俺達は、初めてキメラを見たよね」
上の世界で一度も見たことがなかった。
「たしかに」
「偶然見なかっただけよ」
「でも、この本には載ってないよ?」
セレンは父親の本を取り出した。
セレンの父親の著書「モンスターを食す」がベストセラーである理由の一つに、世界各国のモンスターの生息分布を乗せていることがある。
簡単なイラストの他に、モンスターの特殊攻撃なども示されており、冒険者必須の書であるからだ。
セレンの父親は既に引退しているが、人気が高いため、数年に一度モンスター分布図等を再確認した、改訂版も出ている。
これらの仕事は、世界中の冒険者ギルドが協力して行っている。
つまり、この本に記されていないモンスターは、まず存在しないだろう。
仮に存在していたとしても、生息地が知
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ