第45話 そして、試着へ・・・
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がですか」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
俺達は、ドムドーラの武器と防具の店にいた。
店の店員以上に、購入を勧めるタンタル。
困惑した表情のセレン。
あからさまに嫌そうな顔をする、テルル。
そして、どこから突っ込めばいいのか悩む俺がいた。
「セレンさん。とりあえず試着してはどうですか」
タンタルは、店員を呼び寄せて「あぶないみずぎ」の試着が出来ないか交渉する。
「でも、こんなの着て戦えなんて言わないわよね?」
テルルが最初に冷静さを取り戻し、タンタルに攻撃した。
「ええセレンさん。温泉につかる時だけで、かまいませんよ」
タンタルは、素早くみをかわした。
さすがタンタル。パーティで最速の男だ。
しかも、タンタルが呼び寄せた店員は男だ。
店員は、セレンの姿を眺めると、タンタルの提案を喜んで受け入れた。
「ただの、布地です。防御力は皆無です」
俺は、別の角度から攻撃する。
「アーベルさん、心配いりません。男性にとっては十分過ぎる攻撃力を持ちます。一撃ですから防御は不要です」
「・・・」
「それに、男なら、「きわどいですね」が定番の台詞でしょう?」
「それは、男の商人の話だ」
だめだ、俺の攻撃も通用しない。
「さあ、セレンさん。ぜひ」
「・・・」
セレンは黙っていた。
いや、違う。何か呪文を唱えようとしていた。
「セレンさん。店の中で、攻撃呪文はいけませんよ」
タンタルは、セレンに近づこうとしている。
「大丈夫です」
セレンは落ち着いて、呪文を唱えた。
「ま、まさか」
「ピオリム」
セレンは自分に対して、素早さをあげる呪文を唱えると、俺の後ろに逃げ出した。
「アーベルさん。あなたも攻撃呪文は使いませんよね?」
タンタルは、俺に近づいた。
「ああ、わかっている」
俺は、袋から道具を取り出す。
「それは、聖水」
「人には、効果がないものだ。逃げるなよ」
聖水を人にかけても効果はない。
ただし、モンスターであれば、わずかながらダメージを受ける。
「・・・」
タンタルは、聖水をかけられる前に、ひとことつぶやくと消失した。
「・・・」
「・・・」
「タンタルさんとは、別人です」
セレンは、床に落ちた「あぶないみずぎ」を眺めていた。
俺は、タンタルの態度が急変したことから、モンスターがタンタルに化けたのかと推測した。
聖水をかけられる前ににげだしたことから、推測は間違ってはいないだろう。
正体を見破る事が出来るアイテム「ラーの鏡」があれば確実だが、残念ながら持っていない。
「みなさん。どうしたのですか?」
俺達が宿屋に戻ると、タンタルは1人で待っていた。
「何処にいた、タンタル」
「・・・、それが覚えていないのですよ。いつのまにか、こ
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