第6章 勇者の旅立ち
第44話 そして、温泉へ・・・
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無事じゃない!」
「テルル、大丈夫」
全員無事に着地したはずなのだが、テルルは不満顔だった。
「何か、問題でも?」
「見たでしょう、アーベル!」
「見ましたが、何か問題でも」
「堂々といいますか」
テルルは怒っていた。
「嘘を言っても仕方ありませんから」
俺は首をすくめた。
「それにしても、すばらしかったですね」
俺は正直に感想を述べる。
「へ、変なこといわないでよ」
テルルは顔を赤くして文句を言う。
「ひょっとして、最初から知っていて、黙っていたのでしょう」
俺はテルルに反論する。
「ある程度は、予測していましたが、それでもここまで夜景が美しいとはおもいませんでした。欲を言えば星の輝きが見たかったのですが」
「・・・」
急にテルルは押し黙る。
「どうした、テルル?」
「なんでもない」
テルルは顔を背けると、光の方向へ歩き出す。
「さあ、さっさと行くわよ!」
「はい」
「了解です」
「はいはい」
俺達は、テルルの後についていった。
さすがの俺も、テルルが俺に下着を見られたことを気にしていることぐらい、わかっていた。
俺もテルルと同じみかわしの服を着ているから、同じ経験をしていた。
俺の場合、ズボンを穿いており問題はなかったが。
下着を見たからといって、口に出すほどやぼではない。
俺はそう思っていた。
村に到着するまでは。
俺達は武器と防具の店で買い物を済ませると温泉に向かっていた。
ちなみにここで購入したのは、セレン用の「みかがみの盾」と俺用の「水のはごろも」だった。
「・・・。似合わん」
「我慢しなさい」
「似合っていると思うよ」
「そうかい」
俺は、防御力の高さから服を選んだのだが、どうもしっくりこない。
早急に装備品を見直す必要があるな。
「露天風呂しかないのか?」
「はい」
案内係の村娘は笑顔で答える。
露天風呂は、町の中央にある。
入浴すると、目立つな。
「アーベル、我慢しなさい」
「テルルも入るのか」
「入りません!」
まあ、そうだよな。
「セレンは入るのか」
冗談で聞いてみた。
「水着で良ければ、入ります」
水着で温泉か。
マナーとしてはどうだろうか。
この世界の事はよくわからないが。
「大丈夫です、セレンさん。案内係の人から許可をもらいました」
タンタルは上機嫌に答える。
対応がはやすぎるぞ、タンタル。
せっかくなので、俺は露天風呂に入った。
もちろん、1人で。
セレンはどうしたのか?ですか。
この世界で水着を持ち歩く冒険者など、俺は聞いたことがない。
俺だけが、温泉につかり、残りは宿屋で体を拭いたあと、全員で夕食をとっていた。
「この服は、スースーするな」
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