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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第34話 新生ロマリア王国
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で、「息子はやさしい」と国民からおもわれている。
俺たちは、メテルスも父親の悪事に荷担していることを知っているが、何もしらないふりをしている。
家をとりつぶさない事を決めた以上、いかに有効につかうかが問われている。
メテルスも自覚しているので、真面目に職務に励んでいる。

一方で徴税員たちも、過酷なノルマから解放されたことに喜び、メテルスに従っているようだ。
当然、俺が財務大臣を兼務している間は、問題を起こさせるつもりはない。
「王様。私は、口を挟むつもりはありません」
「そうか」
メテルスは、自分の立場を理解していて、積極的に発言はしない。
それでも、彼と話をすればまともな意見をもっていることがわかる。
監視の目をゆるめるつもりはないが、今の働きぶりなら問題ない。


メテルスの隣にすわるのが、総務大臣兼都市開発担当大臣マニウスだ。
このメンバーのなかで、もっとも忙しい男だ。
都市開発のリーダーは俺なのだが、国王なのであまり城外にはでられない。
このため、マニウスに大臣の地位を与えて、マニウスの元部下に実質的な業務を任せていた。
しかし、くろうにんの性格と俺の激励に奮起したのか、寝る間も惜しみ働いている。
俺も、しつこく休めというのだが、素直に従わない。

「王をやめて、私にさらに苦労を担わせるのですか?」
俺は黙るしかない。
しかし、俺は、マニウスの部下から1人を選んで、担当大臣に抜擢させる考えでいた。
俺が退位すれば、そいつに仕事を任せるつもりだ。


最後に外務大臣のレグルス。
当初、俺を嫌っていたが、俺が魔王を倒した事を知ると、態度が急に変わった。
どうやら、俺を勇者と勘違いしているようだ。

「レグルスは反対なのか」
「魔王を倒したのです。どうかこの地をお治め下さい」
「いや、まだバラモスは生きているのだが」
「問題ありません。もうすぐ新たな勇者が倒しに行きます」
さすが外務大臣。
アリアハンの情報も、ばっちり入手している。


「わかった。今回の会議はこれで終了だ」
俺は、みんなを帰らせた。

「どうしても、俺を辞めさせないつもりか」
俺はため息をついた。
戦勝したことで、国内での支持率は高まっているようだ。
そして、都市を奪回したことで、新しい時代の始まりを国民達が実感していた。
そのような時に、理由もなく王が退位すれば、国民から失望感が生じかねない。
都市の復興に目処がつくまでは、王を努めるのが普通だろう。

だが、俺はこの国のことよりも冒険を続けることを優先するつもりだ。
そのためには、退位する理由を作らなければならない。
俺は、最後の案を実行に移すことにした。
「これって、原作への伏線なのか?」



俺はシャンパーニの塔にい
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