第24話 そして、「おちょうしもの」への道へ・・・
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思わない。
「そうでしたね、失礼しました。ただ、失礼を承知であえていいますが、早めにテルルさんにも買ってあげてください」
ジンクは素直に詫びた。
「わかっているさ、そのくらい」
防御力の差は少ないとはいえ、攻撃呪文の威力を軽減するという特殊能力は大事なものだ。
お金が貯まれば、テルルにも買うつもりだ。
欲を言えば、俺は冒険開始前からの3人の装備として、みかわしの服と一緒にそろえたかった。
ランシールで入手できないと知ったため、あきらめたが。
「アーベルの考えは私の考えと違うようですが」
ジンクはどこかあきらめた様子で俺に笑いかけると、
「結果が一緒ならばかまいません」
ジンクはテルルに視線を移した。
テルルはぷいとジンクに顔を背けていた。
俺は明日、バハラタ周辺でモンスターを倒して金を稼ぐことを決意した。
俺たちは、ロマリア王の依頼を果たすため、こしょうを販売する商人のもとを訪れた。
商人は原作で登場していたグプタではなく、グプタの恋人タニアの父親である老人だった。
ちなみにグプタは冒険者の商人として、アッサラームやダーマへの通商の護衛を手伝っていた。
恋人がさらわれたとき、1人で助けに行くことができた理由がわかった。
俺たちは、商人に契約を提案すると、商人は喜んで引き受けてくれた。
提案内容は次のとおりだ。
1.毎月、グプタがこしょうをアッサラームまで持ってくる。
2.グプタがアッサラームに待機しているロマリアの商人に、こしょうを手渡す。
3.ロマリアの商人がロマリアまでこしょうを運ぶ。
4.ジンクがロマリア商人からこしょうを買い上げる。
5.ポルトガ王がジンクからこしょうを買い上げる。
俺たちは、老人に定価の倍で買い上げる事を話している。
そして、俺とジンクは定価の10倍の利益を毎月得ることになっている。
俺たちもアッサラームの商人顔負けの、あこぎな商売を始めたのだ。
ロマリア商人もこしょうの価値が分からないようにしてある。
ポルトガ王しか購入しないからこそ、できる手法だ。
原作どおりなら少なくとも、勇者が船を入手するまでは、俺たちが独占販売できる。
俺は、世界が平和になれば、この売り上げを元手に商売を始めるつもりだ。
とはいえ、商売を始めるのは先の話なので、それまでは武具の購入資金にするつもりだ。
武具を買った後で、売却すると資産が25%目減りするが、全滅して半減することに比べたらましだろう。
「俺って最近、自分の真面目すぎる性格に嫌気がさしてきてさあ」
「うんうん」
「あんたのうしろのひとはいいよな、おちょうしもので」
「そうですよね〜」
「調子にのらないの、ジンク!」
情報収集をしていた相手の男の一言に、ジンクは反応し、テル
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