7 「黒の残滓」
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
した。
「ナギって名前なの?」
「うニャ。ニャンたちメラルーに良くしてくれる、いい人ニャ。よくマタタビ料理作ってくれるニャ。確かに渓流の奥に住んでるニャー。ここよりもうちょっと先からが旦那のテリトリーだニャ」
「テリトリー? モンスターみたいね」
「正確には、デュラクさんのテリトリーだニャ。デュラクさんはあんた達が見たナルガクルガの事ニャ。旦那が飼ってるニャ」
「飼う!?」
飛竜に対する予想外の言葉に、思わず声が高くなる。幸い男達は自分たちの作業に夢中で、気づいていない。ハナはちょっと首を傾げて唸ったあと、言い直した。
「飼うというとちょっと違うかもニャ。あの2人はもう家族みたいなモンだニャ。“半身”ってやつだニャ〜。伯母さんは、立ち位置的にあんた方にわかりやすく言えばオトモアイルーみたいなもんニャ。たまにお古のオトモ装備をメラルーの里に寄付してくれるニャ。おかげでハンターから掠め取れる確率が格段に上がってニャンたちホクホクだニャ」
「そういえば数年前から、武装するメラルーがいるって話題に上がってたわね……」
「装備はヨルデ村から調達してるみたいだけど、そこまではよくしらないニャ」
「それから、重要なことを聞くわ」
「ニャニャ……?」
「ナギとやらにどうやったら会えるのか、教えなさい!」
「エ、エリザ?」
鬼気迫った表情で尋ねるエリザに若干引きつつも、生来怖がりなハナは泣きそうになりながら答えた。
「ヒニャァッ! 会える方法なんてニャンにはわからないニャ。けど……」
「けど?」
「フニャァッッ! けど、けど、旦那はいい人だニャ。よく伯母さんは旦那のことを“人間恐怖症の、お節介焼きのお人好し”って言ってるニャ! あの時あんた方を助けるとき、“目の前で死なれたら寝覚めが悪い”とかなんとか言ってたニャ。同じ状況になれば、多分、きっと、助けてくれる筈ニャ!」
「寝覚めが悪い、ねぇ……。そんな大層なこと言えるくらい強いわけ? ナルガクルガが強いんじゃないの?」
「うんニャア! それは違うニャ。旦那は強いニャ。軽く上位のリオレウスを倒せる位には強いニャ。ひょっとしなくても素手で殺れるニャ」
「は!?」
いくらなんでもそれは人間業ではないだろう。きっとそれはこのメラルーが大げさに言っているのだと思い、忘れることにした。ただ、そこまで思わせる程度には強いらしい。
(ま、そうでもないと渓流の奥になんて住まないか)
「そいつん家行くには、ここからどう行けばいいの?」
「えっと、その吊り橋から見下ろせる池の上流に行って…って、これは言っちゃダメニャ!!」
ハーヴヴェストは、時すでに遅いながらも口を小さな手で塞いで、それ以上は喋らないようむごむごと無駄な努力をするハナに僅かな親近感を抱いた
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ