7 「黒の残滓」
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ている。追い払うと、男たちがいそいそと女王の骸に近づいた。
「うわあ、これが【陸の女王】か!」
「でっかいなぁ!」
「危ないですから、このエリアからは絶対に出ないでくださいね! じゃ、あとはよろしくお願いします。わたしたちは周囲の警戒にあたっていますから!」
「おう、任せときな!」
腕まくりをしながら鍛冶屋で働く男が、大きな大剣を背負ってきた。筋肉質な体は、ハンターでないもののその大剣がよく似合う。その後ろではほか数名の男達が、ややよろよろしながらも同じく大剣を担いでリオレイアの骸へと近づいた。このあと尻尾、翼とそれぞれ解体し、小さく分けてから荷台に積むのだ。リーゼたちはその間、完全に無防備になる男達を守るために周りを歩き回って近づく小型モンスターを追い払う作業にはいる。
「うわ、翼膜にでかい穴が空いてるぜ」
「これなんの穴だ? ブレスか?」
「ナルガクルガがブレスを吐くなんて、聞いたことねぇぞ」
「うわっ、鱗が堅ぇ! 弾かれちまったよ」
「大剣俺に貸せ、もっとこう腰に力を入れて…うわ!」
「ほら見ろ、お前だってはじかれてやがる!」
「俺らは相手が死んでいてこのザマだからなぁ。ハンターってのは、すげぇよ。ほんとに」
男たちは順調に解体作業を進める。
エリザはふと、蜂が巣を作っている祠の跡の横で、そうっとその様子を伺うメラルーを見つけた。毛皮の色は隠密。ハッと昨日のルイーズというメラルーを思い出す。確か同じ毛並みだったはずだ。
バッと近づいて首根っこを引っつかむ。宙ぶらりんにされたメラルーは、じたばたともがいた。これでは得意の穴を掘る逃走術もつかえない。
「うニャッ!?」
「あんた昨日のルイーズね? ちょっと聞きたいことがあるの。話してくれるわよね?」
「ち、違うニャ! 猫違いニャ! 別人ニャ! ニャンはルイーズ伯母さんの姪ニャ!」
リーゼも呼ぶと、必死に弁解し始めた。どうやら生粋のメラルーらしく好奇心が旺盛で、記念にレイアの鱗の1枚でも持って帰ろうとここに来ていたらしい。
メラルーの名前はハナ。確かに見てみれば、ルイーズより1回り体が小さい。
「伯母さんの目は金だけど、ニャンは緑ニャ」
そう説明されても、そこまでまじまじとルイーズを観察していたわけではないので、違いがわからない。が、本猫曰く、ルイーズの妹の娘らしい。
「まあいいや。ルイーズを知ってるってことは、あの男を知ってるわよね?」
「男、かニャ?」
「そう。渓流の奥に住んでる黒髪の男よ。それから、このリオレイアを倒したナルガクルガ」
「ああ。ナギの旦那のことだニャ」
完全装備のハンター2人に詰め寄られたハナはたじたじだったが、なんとか早くここから脱出しようと、自分の知っていることを一生懸命説明
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