英雄去りて祭りが始まる
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も立体TVで作られた第二次ティアマト会戦前の人形師との別れのシーンだが、この話の前にこの二人がこんな話をしていたのを知る者は誰もいない。
「これが例のデータ。
こっちが、その分析と予測資料。
いつものように元はぼかして、みんなにはお前の作戦案として送ってある。
ジークマイスター提督がよろしくと」
「ああ。
お前が挟まっているんでこっちも大分楽になる。
何しろ、説明の手間が省ける」
「天才の采配を説明しろというのが無理だが、予測として案を出しておけば、戦場の霧で誰も追及はせんよ」
「で、ファンに『案と現実がどうしてこんなに違うんだ?』としかられると」
人形師は前線指揮官よりも後方勤務で功績をあげており、ローザスと同じく730年マフィアの潤滑剤としてアッシュビーの参謀長職をローザスと交互についていたぐらいだった。
そんな人形師が前線指揮官として前に出だしたのはアッシュビーの死後からだった。
そして、彼が前に出る事で730年マフィアは長く同盟内部に影響力を及ぼし続けたのである。
かくして、英雄と道化師の記録は命令となって730年マフィアの全員死亡時にお祭り騒ぎが行われる事になった。
もちろん、死者の願いなんで生者が聞く訳もなく、生々しく政治的に。
730年マフィアが第二次ティアマト会戦後の結束して行動しえたのもひとえに人形師の功績と言っても過言ではない。
宇宙暦745年12月8日から10日にかけての総攻撃において、帝国軍の九割を消し去るという包囲殲滅戦に勝利した同盟軍からの報告を受けた道化師が、「アッシュビー提督戦死」の報を聞いた時の第一声は「何故だ!?」だったらしい。
完勝したのに何でアッシュビーが死んだのかという叫びだと周囲から見られていたが、人形師は「原作以上に用意したのに何で死んだんだ」と叫びたかったのだ。
なお、ベルティー二が無事に生還している事から疑念を深めた彼は徹底的な調査を行ったふりをして、彼らに地球教の事をばらしアッシュビーが謀殺されたと囁いたのだった。
アッシュビーの死が偶然なのか謀殺なのかは分からないが、同盟内部に巣食っている地球教とフェザーンの正体は本物だった。
そして、彼らは復讐者として結束し続けたのだった。
アッシュビーの旗艦位置情報を帝国に流していたという理由で同盟内部で大規模スパイ組織の摘発が行われ、これをはじめとした数度の捜査で地球教およびフェザーンのスパイ組織は同盟内部でがたがたになる。
第二次ティアマト会戦後の人事は宇宙艦隊司令長官にウォリス・ウォーリック、統合作戦本部長にファン・チューリンが大将に昇進してその任務に就き、翌年には「アッシュビーの復讐」と称してイゼルローン回廊側の帝国軍拠点をことごとく制圧した上で、壊
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