暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
EpisodeT:
Te Ratio Ducat,Non Fortuna
Epic1-Aたとえ再び君たちに逢えるのだとしても〜Wheel of FortunE〜
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れている。黒のブラウスに赤色のネクタイ、白のスーツにスラックス、ロングコートと言った出で立ち。
その女性を見たアルフの表情は少々不機嫌なものへと様変わり。そのアルフの分までフェイトは努めて笑顔になろうとするが、出来上がるのは微笑。2人はゆっくりと降下して、その女性の居る草原へと降り立った。

†††Side????†††

アルフと魔法の練習をしていると、母さんのお客様、グランフェリアが声を掛けてきた。グランフェリアがこの時の庭園に訪れるようになったのは1年くらい前から。どういった用件で母さんに会いに来るのかは知らない。私はそんなグランフェリアのことがそれほど苦手じゃないけど、

「今あたしとフェイトは大事な魔法の練習中なんだ。用が無いんなら声を掛けてほしくないね」

「ア、アルフ、ダメだよ、そんな失礼なこと言っちゃ・・・!」

アルフはグランフェリアの事が好きじゃないみたい。どうしてか訊いても、

――アイツは何かヤバい気がするんだよ――

頑なにそう言うだけ。アルフの事は信じたいけど、グランフェリアはそんなに危ない人でも悪い人とも思えない。だって「ふふ。気にしなくていいわ、フェイト」そう言って、嫌な顔一つしないで許してくれるし、判り辛いけど微かな笑みがとても優しい気がするから。

「母さんに用事?」

「ええ。とは言っても、もう済んだのだけど」

「ふん。だったら早く帰ったらいいじゃないか」

「もうっ、アルフ!」

心の広いグランフェリアだけど、それでもいつかアルフのその失礼な態度に怒らないか、いつもハラハラする。グランフェリアは苦笑しながら「最後に挨拶くらいはと思ったのよ」って私とアルフの頭を撫でた。アルフと2人して「最後?」って訊き返す。

「ええ。あなたの母親、プレシア女史とは情報のやり取りをしていたのだけれど。彼女が求めていた情報をようやく手に入れたのよ。私の仕事はこれで終りになったの」

「グランフェリアは情報屋さん・・・?」

「それだけとは限らないけど」

でも、そっか。もうグランフェリアとは会えないんだ。だったら「今から時間、いい?」グランフェリアの都合を訊いてみる。私のその質問で、グランフェリアは私が何を求めているのか判ってくれたみたい。

「・・・お別れの前に、最後にもう一度だけやる? 模擬戦という戦闘」

「お願いしますっ」

「・・・・あたしのご主人様のフェイトがそう言うなら付き合うしかないねえ・・・」

これまでに何度かグランフェリアと模擬戦をした事がある。まだ子供の私は成長途中だから、自分の実力に対して過大評価はしてない。過大評価はしてないけど、母さんの使い魔で、私とアルフの魔法の先生だったリニスから褒められた事から少しは強いかなって思ってた。
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