暁 〜小説投稿サイト〜
NARUTO 桃風伝小話集
その16
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
いように聞こえた。

「何だよそれ」
「んーん。対した事じゃないよ。サスケは特別になったってだけ!だって、他の皆は僕の事勝手に呼んでるだけだしね!」

にこにこと嬉しそうにしているナルトには、どこにも嘘を吐いている気配が無い。
そして深く納得した。

コイツもまた、復讐者であり、俺と同じく憎しみに捕らわれているのだと。
憎しみの対象は俺とは違っていても、腹に溜まるどす黒く冷えた感情で心を凍らせているのだ、と。

理解した途端、くっと俺の口元が自然に笑みの形に歪んでいく。

「何だそれ。火影やイルカもそうかよ」

問い掛ければ、打てば響くように応えてくる。
俺の予想した通りの答えを。

「うん。まあ、そうかな?呼び捨てにされても不快感は感じなくなったけどね。ミコトさんやイタチさんみたいに、僕を呼び捨てにしてもいいかなって思う人達ではあるけど、サスケみたいに許してはないなあ」

けれど、俺をアイツと同格に並べられた時、俺はどす黒い怒りを感じた。

「お前の中で俺とアイツは同じなのかよ!」

俺の怒りの根底を理解仕切った顔で、ナルトは哂う。

「ううん。同じじゃないよ。イタチさんは年上だし、僕と対等だと思ったから呼び捨てを許せるだけ。サスケは僕の友達だから、僕を呼び捨てにする権利があるし、呼び捨てにしていいの!!」

そして、初めて見るくらい全開な満面の笑みで笑い、聞くに堪えないくらい恥ずかしい事を言って来た。

「なっ!?」
「サスケを呼び捨てにしていいって事は、サスケもそうだって事だよね!?」

その言葉に思わず詰まり、確信を込めた期待の眼差しに追い詰められたような気になって、俺は頬を紅潮させて詰め寄るナルトから視線を逸らした。


[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ