その16
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いように聞こえた。
「何だよそれ」
「んーん。対した事じゃないよ。サスケは特別になったってだけ!だって、他の皆は僕の事勝手に呼んでるだけだしね!」
にこにこと嬉しそうにしているナルトには、どこにも嘘を吐いている気配が無い。
そして深く納得した。
コイツもまた、復讐者であり、俺と同じく憎しみに捕らわれているのだと。
憎しみの対象は俺とは違っていても、腹に溜まるどす黒く冷えた感情で心を凍らせているのだ、と。
理解した途端、くっと俺の口元が自然に笑みの形に歪んでいく。
「何だそれ。火影やイルカもそうかよ」
問い掛ければ、打てば響くように応えてくる。
俺の予想した通りの答えを。
「うん。まあ、そうかな?呼び捨てにされても不快感は感じなくなったけどね。ミコトさんやイタチさんみたいに、僕を呼び捨てにしてもいいかなって思う人達ではあるけど、サスケみたいに許してはないなあ」
けれど、俺をアイツと同格に並べられた時、俺はどす黒い怒りを感じた。
「お前の中で俺とアイツは同じなのかよ!」
俺の怒りの根底を理解仕切った顔で、ナルトは哂う。
「ううん。同じじゃないよ。イタチさんは年上だし、僕と対等だと思ったから呼び捨てを許せるだけ。サスケは僕の友達だから、僕を呼び捨てにする権利があるし、呼び捨てにしていいの!!」
そして、初めて見るくらい全開な満面の笑みで笑い、聞くに堪えないくらい恥ずかしい事を言って来た。
「なっ!?」
「サスケを呼び捨てにしていいって事は、サスケもそうだって事だよね!?」
その言葉に思わず詰まり、確信を込めた期待の眼差しに追い詰められたような気になって、俺は頬を紅潮させて詰め寄るナルトから視線を逸らした。
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