その15
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』なのに。
九喇嘛を操ったアイツと同じ『うちは』の力を持ってるのに。
でも、それはもういいかもしれない。
だって結局、『アイツ』はサスケじゃないし、ミコトさんじゃないから。
だから、同じような力を持っていて、アイツとサスケが血縁だったって、それは別に良い。
それでも良いって思えるようになったから、サスケが『うちは』でも別に良いんだけど。
でも友達って、こんなに胸が痛くて何かしてあげたくなる物だったんだろうか。
それともやっぱり、私、一人きりになっちゃったサスケに同情してるのかな。
それはあるかも知れない。
血生臭いうちは邸で、昏い瞳で埋くまっていたサスケの姿が、私の頭から離れない。
サスケがこんなに傷付いたのは私のせいだ。
私がもっと積極的に『うちはと木の葉』に関わってたら。
ううん、『木の葉』に関わってたら、だ。
嫌いだから、殺したいから、だから、誰が死のうと別にいいとか。
そんな風に思ってた癖に、誰かが死ぬのが嫌かもってだけで、中途半端に不愉快さを我慢して、気に入らない物を無視してそれ以上関わろうとしてこなかったから。
そんな風に向き合わないで逃げて来てたから。
だから、私は何も変える事が出来なかったんだ。
もしかして、それを見抜かれて私はサスケに避けられてるのかな。
それとも、同情されるのが嫌で顔を合わせてもらえなくなったんだろうか。
有り得ない話じゃないと思う。
サスケはとにかくプライドが高い。
というか、負けん気が強い。
意地っ張りだし、頑固だし、口も悪いし、気も強い。
その上、真面目な性分も手伝って、勝つために努力も惜しまない。
だけど、その為に卑怯な手を取るような腐った所が何処にもない。
正々堂々と、公明正大な手段で勝とうとする。
そんな所が一番凄くて、サスケの一番良いところだと思う。
だけど、忍びにそれは必要ない。
いつかきっと、そんな風な潔癖さで苦労すると思ってた。
そして、そんな時、サスケはきっと助けを求められないし、求めないって。
そうしてどこかに消えてしまうんじゃないかと思えて怖かった。
一緒に居て楽しいから、サスケと一緒に居る時間を気に入っていたから、余計に怖かった。
そして、今。
私が恐れていた事態になっている。
ああ。
そうか。
私はサスケが変わってしまう事が恐いんじゃない。
サスケが私から離れてしまう事が怖いんだ。
なんとなく、ぼんやりとした実感でそう感じた。
そっと、目の前で瞳を閉じてるサスケの頬に手を伸ばす。
きっとサスケは、変わる事を選ぶだろう。
これからイタチさんに復讐する事を選ぶはず。
だったら、私と同じだ。
『木の葉の日向宗家』に連なるヒナタと私は
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