第31話 仲魔、仲間、友達。そして、家族(3)
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リン座って座って、今から真面目な話しするんだから」
「ぐぅ…。分かりましたよっ」
そんな風に私が考えているのを知ってか知らずか。シュークリームを食べ終えて猛然と抗議し始めたアリサちゃんをリリーさんがなだめて座らせます。
説得されても不満顔したアリサちゃんが座ったのを満足そうに見て、リリーさんが話し始めます。
「さて、じゃあやっと本題ね。とはいっても、大分遠回りしちゃったけど、ここまで話したら2人ともどうしたらいいか、答えが見えきたんじゃないかしら?」
「それは……」
「結局、待つしかないって事ですよね」
私達が出した答えに、リリーさんが続きを期待するように聞き返してきます。
「そうね。けど、もう“ただ”待ってるだけしかできない、とは思っていないでしょ?」
確かに、リリーさんの話を聞いて、2人の態度に対する私達の気持ちはずっと変わっていました。今までの話を、もう一度心の中でまとめてみます。
2人の様子がおかしくなった原因は、突然現れたジュエルシードを狙う人達で。その人たちと対面する事で改めて自分達の持つ力のことを自覚をして。その力で人を傷つけてしまうんじゃないか、そんなことをして自分達を受け入れてもらえるかという事への恐れがあって。
――そっか、今の2人に必要なのは、以前私が皆にしてもらった事と一緒だったんだ。
「私達はずっと一緒だって、言ってあげることですよね。
……例えどんな力を持っていたとしても、どんな決断をして、どう力を使ったとしても、私達は味方だって、言ってあげないと、いけないと思いました」
「うん、いいんじゃない♪」
リリーさんが微笑みながらそう言ってくれたのを聞いて、一気に緊張がぬけていくのを感じます。だって、やっと見つけた答えはもう私の中にあったんですから。
答えの見つかった満足感にちょっと眠くなり、2人には申し訳ないけどちょっとテーブルに伏せてまどろんでしまいます。
「う〜ん、けどやっぱり他に何かあるんじゃないかなぁ、私達にしかできないって事が。だってリリーさんだったら、ジュンゴの事だったら何でも受け入れちゃいそうですもん」
くたっと伏せて目を閉じていると、まだ話をしているのか、少し不満そうなアリサちゃんの声が聞こえます。
うん、アリサちゃんがそう言う気持ちは確かに分かります。例え結論が出たとしても、もっと2人の役に立ちたいって、そうやって2人の特別になりたいっていう思いは無くなるものじゃありません。
そんなアリサちゃんの声に答えるリリーさんの声が聞こえてきます。
「ん〜、まぁ? 確かに私はジュンゴの事ならなんでもOKよ? それはもうジュンゴの作った料理からはじまり戦闘から何気ない日常でのどんな細かい指示に、果
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