留まる美しさ
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はあんな刃のような嬢ちゃんだったのに、宗茂はどうやって口説き落としたのやらというのは毎回の疑問である、と苦笑しつつ続きを待った。
そう、共感できる。
ある一定のレベルに達してしまうとそれを理解してしまうのである。
事実、副長程ではないだろうが、私や宗茂様も得た思いである。
それは
競える相手が……いなくなるんですよね……
スタート地点は多少の差があっても、ほぼ同じであった力は、術式、技術、経験、才能によって一気に差が開いてしまう。
宗茂様でも、最初は自分にただ、叩かれて斬られる、ただの一学生であった。
そして、遂に私の両腕を断ち切れる頃には、既に総長連合を除けば、誰も彼についていけなかった。
無論、特務がいるから相手がいないというわけでもないし、ァと宗茂もお互いで訓練をし合っていたので文句などは一切なかったが───新鮮さを欲していたことだけは否めない。
そして、副長となるとその思いは別格だろう。
国の武力を示す立ち位置の人間は、はっきり言って別格である。勝てないとは思えないが、十回中一回勝ちを狙えるというのは自惚れ判断であると思うくらいである。
防御型とはいえ副長。武蔵の副長を人外扱いしているが、自分からしたらこの人も十分人外であると思う。
国の武力となるために人間性を疑われるレベルにまで能力を昇華させたのが副長だと、立花・ァは思っている。
感服しかしない。
そこに種族の差と言う物は存在しないほどの領域。
相手が、異属であろうと長寿族であろうと霊体であろうと神であろうと関係しないという世界最高峰の存在へと昇華される高み。
戦闘系副長というのは大体それである。その領域にいると知っているのは、ァが知っている限りだけで言うなら、鬼柴田くらいだろう。別に、副長といっても、その領域に至っているとは限らないのだから。
そこに、あの剣神を入れてもいいのかはまだ解らない。
ただ、やはり、自分が知っている副長というカテゴリーに入れるというだけなら、英国のロバート・ダッドリーも目の前の隆包副長も、剣神も入れていいだろう。
つまり、勝利のみを渇望する魂というのは。
……だからこそ、ですね……
勝利のみを渇望している。
その事だけで言うなら、歴史再現も無視するのが副長であり、彼ら個人であろう。
理由はそれこそ、利他、利己と変わるのだろうけど、要は負けず嫌いを狂っているレベルにまで上げているというだけだろう。
そんな自分みたいな馬鹿を相手に戦って、勝ちたいというのは副長の望みという事なのだろう。
ですが
「ああ───わぁってるよ、ァ。武蔵とやりあう時は奴さんの相手はお前に任せるわ」
「……Tes.そんなに私は解り易いのでしょうか?」
大人二人の苦笑を見てしまったので無視した。
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