留まる美しさ
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どうして無駄なところで体力をここまで使わせるのやら。
「ええと……どこまで話しましたっけ?」
「確か、商工会に今回の被害について色々と文句を言われている中、そこの馬鹿をシロジロが全裸砲弾させて、混乱している中、話を無理矢理纏めたところで浅間が視線を逸らしたのであるな」
「この馬鹿は何も役に立たないくせに、場を混乱させるのには便利だからな。無料全裸砲弾を受けた時の商工会は凄い顔だったぞ。金になる顔だ」
「小西さんとか、直撃してとっても筆舌し難い顔になっていたよねシロ君。ちゃんとエリマキが録画したから、次回の交渉の時に使おうね」
「次回は回転も加えたほうがアグレッシブさが増すよな! なぁ……浅間!」
ご要望に応えて、回転を加えた矢を彼の鳩尾に放つとイヒィン! などという謎の叫びと共に吹っ飛んで行った。
まぁ、急にこちらに振ったのは理解できる。
今の振りの本当の向きはシュウ君に向けるものだったのだろう。大体、馬鹿をするのも何時も一緒な二人である。時々、兄弟みたいに仲がいいんですから。
性格や好きなものとかは似ているようで違うくせに、知人とはいえ血が繋がっていない他人とよくまぁ、あそこまで仲が良くなるものです。
……ですが、どうしてそこで私に振るのかが理解できません……
振るのに適した人材は大量にいるではないか。
ここには、キチガイ姉に、姉好き半竜やおかしな金好き商人夫妻という多岐にわたる変態共がいるのである。まともである自分に振るのはおかしい。
「纏め役の正純やネシンバラ君がいないのが、こうも話がごちゃごちゃになるとは……」
「ククク、一番、話をごちゃごちゃにしている人間が言うと説得力があるわねえ……で、そのネシンバラの呪いの方はやっぱり禊げなかったの?」
その言葉でああ、そういうえば伝えていなかったと思い、一息吐いてから答える。
「やれるだけのことはしましたが───結論から言ったら、無理でしたとしか言えません」
「浅間の通常禊では駄目だったのか……では、もうズドンするしかないではないか」
この半竜も言う事が違うと思う。
思わず、本当にズドンしてやろうかと思うが、気配を察したのか、いそいそと離れていくので仕方がない。次の機会にするしかない。
「マクベスの呪いは王殺しの呪いですが、マクベスという話を考えればおかしな事ではなくむしろ、真っ当な終わりです……舞台の話を変えられるのは作家か、役者くらいです」
それに
「舞台演劇は元々が神に捧げるものですから、神道と相性が悪すぎるんです……」
「それは、浅間神社以外の禊でもか?」
シロジロ君の疑問にうーーん、と流石に悩む。
「……難しいと思います。自惚れるつもりはありませんが、浅間神社が武蔵内だけ
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