第漆話『平和な一日』
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愛はまったく動じず面倒くさそうにぽりぽりと耳を掻いていた。
「ククク、俺達に気付かず軍団から離れるたぁ迂闊だったなぁ」
「3対1とか言い訳すんなよ。ベッコベコのボッコボコにしてやらぁ!!」
「………せェ」
「はぁ?なんか言った―――」
「うるせェ!!」
相手を睨み付けながら、威圧感たっぷりに言い放った。普通の人間ならその場で失神ものだが愛も一応あれでも抑えているみたいで、3人はその場に固まって動くことが出来なくなっていた。かく言う俺も一瞬足が竦み上がった。さすがは、『喧嘩狼辻堂愛』。
「出たー!愛さん77の殺し技のひとつ!鬼メンチ!」
しかも、俺の隣では葛西久美子が騒いでいた。
「あ?なんだテメェは………って、昨日の昼の!」
胸倉を掴まれる俺。しっかし、どうでもいいこと覚えてんなコイツは…。
「なにやってんだクミ」
「愛さん。昨日のヤツですよ。因縁つけに来たみたいです」
「は?」
久美子に言われ俺の存在に気が付く。
「よぉ」
俺はいつも通りの感じで挨拶をする。
「はぁー………放せクミ。そいつはアタシの知り合いでクラスメイトだ」
「そ、そうなんすか。すいません」
手を放す久美子。あー苦しかった。
「悪かったな。うちの奴らはどうも血の気が多くて」
「いや。それは別にいいんだけど……」
「それより、なんでこんな時間まで学校に残ってんだよ」
「3会の会議がちょっとばかし延びてな。もう帰るけど」
「そか。まあ、気を付けて帰れよ」
そう言い残し久美子と共に足早に行ってしまった。
「あ、誘うの忘れてた」
まあ、いいか。メールして返事を待ってから帰るか。
Side辻堂愛
「(ん?メールだ)」
屋上からたまり場に向かう途中、ポケットに入れていた携帯が振動した。確認すると、ディスプレイには『ユウ』と表示されていた。クミに中身を見られないように確認する。
『さっき言うの忘れてたんだけど、今日一緒に帰れるか?帰れるなら、校門から少し離れた所で待ってるから来てくれ。P.S.3分以内に返信が無ければ来るものとしお前が来るまで待ち続ける』
「(ったく、あいつは…)」
アタシはメールに『すぐ行く』と短く打って携帯を閉じた。
「クミ、用事が出来たから先に帰るから」
「あ、お供しますよ。愛さん」
「別に来なくていいよ。他の奴らにもさっさと帰るように言っとけよ」
「はい。お疲れ様でしたっ」
「おう」
ク
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