第二十一話 夏休みのはじまりその六
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「隠れてはあるかも知れないけれど」
「それでもあるの」
「けれどそれがわかったら」
体罰の事実、それが公になればその時はというのだ。
「普通に責任を問われるから」
「それは一般社会と同じなのね」
「先生の世界が異常なだけでね」
暴力を振るうものではないというのだ。、
「自衛隊でもそれはないから」
「それが普通なのね」
「そう、自衛隊でもそうだから」
「だったらいいけれど」
彩夏はそれを聞いて少しほっとした、そしてだった。
その話を聞いて彩夏はかつての海軍のことを話した。
「けれどあの海軍は」
「ええ、昔はね」
里香もそのことは言う。
「普通に鉄拳制裁とかあったから」
「やっぱりそうなの」
「目を瞑り歯を食いしばれって言ってね」
映画等でもよくある海軍兵学校の鉄拳制裁の場面だ。
「それでなのよ」
「思いきり殴ってたわよね」
「昔はそうした時代だったから。けれど」
「けれどって?」
「あの頃の鉄拳制裁も今の学校の先生程はね」
「なかったの」
「寮に住まわせてお金まで取るとか」
そこまでは流石にだというのだ。
「あそこまでいくと本当におかしいから」
「先生の世界が異常なのね」
「かなりね」
里香は顔を曇らせて語る。
「生徒に床で背負い投げしたりとか」
「ああ、それひでえよな」
美優もそのことには眉を顰めさせて話に加わった。
「受身知らない生徒にだろ」
「柔道の技は畳の上でするものよ」
さもないと危険極まりない、これは言うまでもない。
「そんなね」
「床の上でするとかな」
「まして受身を知らないと」
柔道の基本中の基本だ、これを身jに着けておかなくては下手をしなくとも命に関わることである。柔道の技は本来そこまで危険なのだ。
「自衛隊でもそんなことすればね」
「クビだよな」
美優は実際に左手で首のところを右から左に一閃させた。
「絶対に」
「ええ、問題外だから」
「それでクビにならないのは教師だけか」
「後はヤクザ屋さんか」
つまり日本で暴力を行ってもお咎めのない世界は犯罪者の世界と教師の世界、その二つだけだというのだ。
「だからね」
「そんな教師いるからな」
「注意しないと」
さもなければ本当に命の危険があるというのだ、生徒の。
「そもそもチェックの行き届きにくい社会みたいだし」
「うちの学校それ考えると凄くいいよな」
「ええ、ちゃんとチャックされてるから」
いい教師かそうでないかだ。
「ちゃんとされてるから」
「大丈夫なんだな」
「公立だとね」
ここでまた美優に言う里香だった。
「これがそうはいかないみたいで」
「変な教師多いんだな」
「そうみたいなの」
「成程な、おかしな奴っているんだな」
「み
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