第二十一話 夏休みのはじまりその五
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「特に今カープなあ」
「クライマックス競り合ってるわね」
「そうなってるからな。ちょっと緊張してるな」
「慎重な応援ね」
「それを心掛けていこうな」
「わかったわ、まあ今年は巨人弱いし」
琴乃はこのことには自然に笑顔になる、世界の良識ある市民として相応しい反応だ。それは何故か、巨人に対するものだからだ。
「いい感じでいけてるしね」
「だからこそ余計にな」
「身を慎んで」
「応援しないとな」
「そうよね、けれど帽子は」
「グッズとかは球場の中で着ててもいいからさ」
黒と黄色のその模様もよしということになった。
「まあ広島に行ってもさ」
「楽しくやればいいのね」
「野球も含めてさ」
「そうね。それにしても広島の江田島ねえ」
「歴史があるから」
里香はこのことを言った。
「海軍のね」
「それを勉強する意味もあるのかしら」
「どうかしらね、その辺りは」
里香もその辺りはよくわからないといった感じだった。
「実際のところ」
「けれど海軍の資料館とかは行けるわよね」
景子がこのことを里香に問う。
「それは」
「多分ね、合宿の合間にね」
その時にだというのだ。
「自由行動じゃなくて先生に案内してもらえるわ」
「その海軍の記念館とか資料館に」
「資料館ね」
それになるというのだ。
「行くことになるかも」
「そういえばうちの学園って海軍と縁あったのよね」
景子はここでこのことに気付いた。
「そうよね」
「ええ、八条グループが戦前に海軍の兵器を造ってたから」
その縁だというのだ。
「それでなの」
「そこからの縁なのね」
「そうなの」
まさにそこからだった。
「陸軍の兵器も造ってたけれど」
「どっちかっていうとなの」
「海軍と縁があったから」
「それでなのね」
「うちの学園日教組の影響もないし」
悪名高き日本教職員組合だ、教育の中立性を看板にして北朝鮮の教育を理想としてきたおぞましい組織だ。
「だから余計にね」
「海軍贔屓なのね」
「そうなの」
それが八条学園だというのだ。
「だからだけれど」
「ううん、そうなの」
「それに海軍の資料館は旧兵学校」
そしてだった。
「今の海上自衛隊幹部候補生学校にあるけれどね」
「その幹部候補生学校に何があるの?」
「あそこは観光スポットでもあるのよ」
そうなっているというのだ。
「だから余計にね」
「私達も行くことになるのね」
「あそこに」
「そう、あそこにね」
教育だけでなくそちらの目的もあるというのだ。
「行くと思うわ」
「あそこってあれよね」
彩夏がここでこのことを言った。
「凄い厳しいの?」
「自衛隊だからね」
「殴られたり蹴られたりとかは」
「体罰はないから
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