第二十一話 夏休みのはじまりその三
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「足なくなったりするしね」
「目だって見えなくなるし」
「明治天皇は糖尿病で崩御されてるしね」
「糖尿には気をつけないとね」
「若くてもえらいことになるから」
「そうそう、日本酒ってね」
琴乃も困った顔で話す。
「景子ちゃんも言ってるのよ」
「糖尿病は怖い」
「飲み過ぎるとなるっていうのね」
「神社って甘いものも多いから」
お供えなり贈りものでお菓子なり果物なりを貰うことが多いからだ。
「景子ちゃんも気をつけてるのよ」
「日本酒にお菓子はね」
「もう糖尿一直線だからね」
そしてまたこの方の話になる。
「明治天皇はお酒だけじゃなくて甘いものもお好きだったの」
「あっ、そうらしいわね」
先程明治帝のことを話したクラスメイトがまた言うと琴乃はその話に頷いてそのうえでこう言ったのだった。
「羊羹お好きだったらしいわね」
「あとカステラにアンパンにアイスクリームね」
「本当に甘いものお好きだったのね」
「日本酒も大好きで」
左党であり甘党であられた、それは即ちだった。
「それでだから」
「私もどっちも好きだけれど」
「節制して運動しないとね」
「あっという間に糖尿ね」
「そうなるから」
まさにそうなるというのだ。
「気をつけてね」
「怖い話ね」
琴乃の言葉は深刻な響きがあった。
「その言葉も肝に銘じておくわ」
「そうしてね」
「合宿でもね」
琴乃はその先の話もした。
「気をつけるわ」
「広島でしょ」
「ええ、江田島だから」
「広島はカープだから」
このことも重要だった。
「若しカープが好調だとね」
「お酒もなのね」
「安く出たりするから」
「安いからって調子に乗って飲むと」
その大変なことになるというのだ。
「怖いからね。まあ今のカープはね」
「今年も今一つね」
「何ていうか決め手がないわよね」
琴乃は残念そうに言った。
「正直なところ」
「阪神もピッチャーはよくてもだけれど」
この辺り阪神も人のことを言えなかった。
「打線弱いからね」
「あれ伝統かしら」
「そうみたいよ」
眼鏡をかけたクラスメイトが言ってきた。
「実際ね」
「弱いのが伝統なの」
「阪神の打線はね」
「嫌な伝統ね、それって」
「ダイナマイト打線っていうけれど」
阪神の代名詞にもなっている打線の名前だ、この名前は戦前の藤村や別当がいた頃に出来た名前である。
その頃の阪神は確かに打線のチームだった、だがそれは。
「実際はピッチャーのチームなのよ」
「投手陣ね」
「小山にバッキーがいて」
まずはそこからだった。
「村山、江夏、上田、江本」
「それの小林さんね」
琴乃は今は亡き憎むべき巨人から来た素晴らしき戦士、巨人に天誅を与え続けた英
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