第11話
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器を取り出したり絞まったり出来る能力のおかげでかたずけていられるから邪魔にならない。
廊下を歩きながら感慨に耽る。
(早いものだな。揚羽様に拾われてから、もう1年が経つのか。揚羽様に拾われていなければ、今の俺はいなかっただろうな)
揚羽様に拾われていなかった事を想像するが、嫌な想像しかできなかった。雑念を振り払い、今までお世話になった人達に挨拶周りをする。
一通りの人に挨拶を終えた俺は、九鬼ビルの正面出口がある1階ロビーに着いた。
(いろいろ、楽しい日々だったな。此処で過ごした日々は忘れられないな。 暫くお別れだ。また、必ず帰ってくるからな)
1人誓いを立ててロビーから出口の自動ドアを出る。するとそこには、黒いリムジンと、英雄様、紋白様、あずみさん、ヒュームさん、ステイシー、李、小十郎、が待っていた。俺の姿を見ると英雄様とあずみさんが一歩前に出てきた。
「皆様お揃いですか」
「悠斗よ。行くのだな」
「はい。英雄様。帝様のご命令ですので」
「そうであったな。悠斗よ。我は必ず悠斗が我が九鬼家に相応しい男になって、帰ってくると信じておる!」
「英雄様の期待を裏切らない様に、派手に活躍してきてください」
「あずみの申した通り、派手に活躍して名を馳せてこい。なに、悠斗ならば必ずや世界に名を広められるだろう」
「激励ありがとうございます。英雄様。必ずや、名を馳せてまいります」
英雄様とあずみさんに頭を下げる。二人が下がり紋白様とヒュームさんが俺と向かい合う。
「悠斗よ。妾は悠斗と共に過ごした日々は楽しかったぞ」
「俺も楽しかったですよ。紋白様」
俺は紋白様の頭を優しく撫でる。紋白様は嬉しそうな表情をしている。
「こうやって、悠斗に頭を撫でてもらえるのも暫くは無いのじゃな。悠斗。父様の出す試練は厳しいだろうが、からなず達成して帰ってくるのだぞ!!良いな!?必ずじゃぞ!!」
「はい。分かっております。紋白様。必ず戻ってまいります」
紋白様は、やや涙ぐんでいる。俺はそんな紋白様の頭を優しく撫でつつ、ヒュームさんを見る。
ヒュームさんが懐からなにかを取り出した。
「悠斗。飛行機のチケットと命令書だ。無くすなよ?」
「分かってます。ヒュームさん。お世話になりました。必ず試練を達成して戻ってきます」
「ふ。当たり前だ。俺を凌駕する力があるお前が、試練を達成出来ない筈がないからか。せいぜい、怪我のないよいにな」
「はい」
ヒュームさんが右手を差し出す。俺も右手を差し出して、互いに握手を交わす。ヒュームさんに連れられて紋白様も下がる。李とステイシーが正面に来た。
「悠斗。頑張ってね。あんたなら、必ず試練をクリア出来るだろうからさ!」
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