暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
事の顛末
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「………ッ!はァ、はァ…はァ………ばーすと……あうと………」
視界がどんどん濁っていくのにしたがって、体全体に倦怠感が重くのしかかる。同時に、とてつもないほどでかい睡魔がレンの意識を襲い、目蓋がどんどん勝手に閉じていく。
思わず倒れそうになるのをどうにか堪えて、カグラ達の方向に視線を向ける。
カグラは心配そうな顔を向けてくるが、マイは前回と同じく気を失ったらしい。カグラの腕の中で脱力している。
レンの目の前では、カーディナルも同様に突っ立っている。
だが、その漆黒のタキシードはぜんぜん無事だとは言えなかった。
あちこちが切り傷があり、脇腹からはレンが呼び出した大剣の柄がにょっきり生えている。しかも、左手の肘から先がなくなっている。
まあ、それを見ているレンの体も、あまり無事とはお世辞にも言えないのだが。
擦り傷、切り傷の度合いはカーディナルと同じくらいだとしても、レンの場合は右肩口から、ごっそりと抉られたかのようになくなっている。右目が閉じて血が流れていることから察するに、恐らくそこも見えないのだろうか。
ぐらり、と、大きくレンの小柄な体が耐えかねたかのように揺らぐ。
ごとり
重い音がして、レンの体が壊れたフローリングの上に横たわる。
「気を失ったか」
カーディナルが短く言った。その体は、レンという偽りの神が剥奪した権利を取り戻し、さっそくそっくり戻っている。《七星外装》の
一番星
(
アルファ
)
でも、所詮はアイテムだったという訳か。
カグラが長刀を構えるが、その動作は今しがたの戦闘に比べれば、明らかに遅く感じる。
「ふっふふふふふ、まあそう構えるな。カグラ」
「何をおっしゃいますか!あなたの目的はこの子を縛り付けることでしょう!」
カグラの激昂した声に、漆黒の髪は黙って笑う。
「案ずるな。諦めたわけではないが、計画は延期することはした」
「………なぜ?」
「なぜと言われても答えに窮するが。そうだな、答えとするならば………満足、かな?」
「満足?全てを知りたいと思っているあなたにとっての満足は、その目的を果たした時のみと思っていましたが?」
「ああ。私も今の今まで、そう思っていた───」
そう言って、カーディナルはついっとガラスが粉々に砕け散っている窓へと顔を向ける。いや、窓の外の世界、その先をその瞳は映しているのだろうか。
「だが……何なのだろうな?この達成感は。とても……とても、心地いい……」
「主………」
カーディナルの顔は、とても朗らかな笑いで満ち満ちていた。
「……どうやら、一時的に私の進化シークエンスを上書きされたらしいな。これで当分は大丈夫だろう」
「………解かりました。して、私は……
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