SAO編
episode6 ケジメ
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た。その空色の光は、銀色の右手、《カタストロフ》に反射されて更にその光度を増していく。と同時に、握られたエストックの耐久値が恐るべき勢いで減少していく。
そして二秒とかからずにそのゲージが半減したところで。
「おおおおおっ!!!」
全力の気合いをこめて吠える。
と同時に、半分残っていたエストックの耐久値が、一気にゼロになって爆散した。俺も実戦では初めて使う『体術』スキルの、近距離中の近距離技、《デストロイ・ハンド》。体全体で大きな動きでの初動が必要なものの多い『体術』スキルの中では珍しい、手首から先の動きだけで発動できる技。
そして、その効果は、「握った時間に応じてダメージが増加、最後にもう一度力を加えることでそのダメージを倍加させる」というものだ。手に握れるサイズ、その上しっかりと握り続けることが必要と難易度は高いが、成功させればそれを補えるだけのダメージを与えられる。
そしてそのダメージは、《カタストロフ》の『武器破壊ボーナス』によって極限まで高められている。ほぼ全回復状態の武器を、二秒と経たずに爆散させることが可能なほどに。俺は、この力で。
この、ソラから託された力で、コイツを倒す。
「……ザザ、もう一度だけ言う。あの剣を、離せ」
もう一度、あの言葉を繰り返す。俺の狙いは、あの剣だけ。あの剣を、こんな腐った連中に渡すことだけは、あの剣がなんの罪も無いプレイヤーの血を吸うことだけは、決して許されない。
そんな俺を見て、ザザが一瞬目を見開き。
続けて、嘲るようにしゅうしゅうと笑って、右手を振る。実体化するのは…新たなエストック。それを見せつけるように口元に持っていき、ゆらゆらと舐めるように動かす。
「…確かに、貴様の、その『武器破壊』能力は、大したものだ。だが、俺の趣味は、エストックの、収集だ。俺の、ストレージに、何本の、剣があると思う?」
そうだ。奴は獲物の武器を見繕い、気に行った武器をコレクションするという性癖を持っていた。確かにエストックは珍しい武器だが、膨大な時間をかけて…そして相当の犠牲の上にあるそのコレクションは、一本や二本ではないだろう。
だが、そんなことは分かっていた。
そんなことは。
「関係無い。何本でもへし折ってやる」
そう言って、拳を構える。ザザが、その笑みを消してエストックを構える。右手が、だらりと垂れ下がる。知らない人が見ればそれはとても構えには見えないが、俺にはそれこそがコイツの構えだと知っている。
そして奴が、とうとう口調から嗤いの色を消して言う。
「……できるものなら、やってみろ!!!」
「……言われるまでも無い!!!」
吠えるように応えて、俺が疾走する。
迎え撃
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