第四十一話
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悪そうに言葉を出し始めた。
「……昨日コイツにいきなり誘われたんだ。それより、お前こそ《軍》の連中なんかとどうしたんだ?」
キリトが指を指した横にいて風林火山の連中に囲まれている人物――つまり、アスナ関係のことだと大体察すると、キリトの露骨な話題そらしに乗ってやった。
「依頼さ。《軍》の連中が攻略に復帰するらしいから、最前線のダンジョンの水先案内人だと」
へぇ、とキリトが感心したような声を出す……《軍》どころかその前身である者たちと、第一層の頃から共に戦い続けていた者として感慨深いものがあるのだろうか。
「おーうショウキ、お前も久しぶりじゃあねぇか!」
アスナを囲んでいた《風林火山》のギルドメンバーから一人抜けだした二十四歳独身のバンダナ男が、俺に肩をかけて親しげに話しかけて来た。
こう見えても、攻略組ギルドのリーダーであるこの男――クラインは、その野武士面を必要以上に見せつけてくる。
「いやー久しぶりすぎてこんな悪趣味なバンダナをした奴の顔は忘れたなー」
「思う存分棒読みだなオイ!」
この男を見ると、なんだかからかいたくなるのは自分だけではあるまい。
「で、最近どうなんだよ、お前?」
「ボチボチだよ。マイホームに帰るってのにようやく慣れたとこだ……そっちこそ、なんか変わったことは」
「休憩終了! 貴様らさっさと立て!」
なんだかんだで最前線にいつもいるクラインたちやキリトならば、毎回毎回面白い話や情報をくれるのだが、背後にいる依頼人の野太い声で話は中断されてしまった。
さっさと立てと言われた部下たちは、いきなり発せられた怒声に困惑しながらも、一応の休憩は出来たようでガチャガチャと音をたてて陣形をとる。
「まるで、どっかの《狂戦士》様みた……痛っ!」
自身の鍛え上げた敏捷度と反射神経を駆使し、俺が最後まで言葉を口にする前に足を踏みつけて俺の口を閉じた……何もかもを無駄遣いしすぎだろアスナ。
「……何か言った?」
「何でもありません」
細剣の柄に片手をつけた笑顔のアスナ相手に物申すのは、俺には荷が重いのでアスナ関係はキリトに任せて俺は俺の仕事をしよう。
行進を開始した《軍》のメンバーの中の、俺のポジションである先頭にいるコーバッツの横につく。
コーバッツはキリトたちには何の反応も示さず、まるでそこにいないかのように進んでいき、安全エリアの出口となっている上層部となっている階段に足をかけた。
「これから十分も歩けば行き止まり……つまりボス部屋だ。もちろん、モンスターに出会わないことが前提だけどな……っと!」
言いながら、プレイヤーたちが安全エリアを出る直後を狙う、というこのゲームの製作者の性格を顕している嫌らしいモ
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