6 「仲直りは案外単純なもの」
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ら、エリザは朝からここに行ったっていうから。……いや、そうじゃなくて」
膝の上で組んだ両手に目線を落とし、何回か口を開いては閉じ、開いては閉じた。エリザは黙って茶を啜る。助け舟を出してやるほど、仲がいいわけではない。
「お礼を、言いに来たの」
「礼?」
「一昨日の夜帰ってきたばっかりだったのに、その……た、助けにきてくれて、ありがとう」
「……ふん、当然のことね」
「は?」
つーんと顔を横に背け、腕を組んだ。横でチェルシーがニヤニヤと笑っているのを、デコピンで制す。ぽけっとしていたリーゼロッテが、ふるふると震えながら立ち上がる。顔に血が上って顔が赤く染まった。
「れ、礼を言いに来たのが当然って!? 『どういたしまして』ぐらいいえばいいじゃない!」
「馬鹿ね、早とちりすんじゃないわよ!」
エリザが叫び返したことで、家の中に静寂が生まれる。照れたように再び顔を背けると、目をつぶった。こちらは羞恥からか、頬が薔薇色になっている。
「た、助けるのが当たり前だっつってんの! お、同じ村の…な、仲間のハンターなんだから! 当然でしょ! 皆まで言わせないで!」
「……ツンデレだニャ」
「チェルシー!!」
「ニャおぅ!」
ニヤニヤ笑うチェルシーと、その横でにこにこと和んでいるハーヴェスト。照れに照れているエリザを立ち上がったまま呆然と見つめていたリーゼロッテの頬が、更に染まった。へなへなと座りなおす。
「…………………………そ、そうなんだ。あ、ありがとう。ごめん」
「……そうよ。分かればいいのよ」
(もしかして、今までずっとすれ違ってた?)
エリザは素直じゃなくて、リーゼロッテは素直すぎた。
言葉少なに言うエリザの言葉をそのまま受け取っていたリーゼは、今までツンケンしていたことが馬鹿らしくなってきた。会うたびに口喧嘩をするのが嫌で、2人とも意図的に互を避けていたのだ。
未だつーんとそっぽを向いて、リーゼと目を合わせないエリザの様子に、リーゼロッテはクスクスと笑いがこぼれた。
「なによ!」
「んーん、なんでもなーい」
「人の顔見て勝手に笑わないでくれる!?」
「エリザって、可愛いねぇ」
「は!? 当然でしょ!?」
「えへへへへ」
へらへらと笑うリーゼロッテに髪を逆立てて怒るエリザは、ニヤニヤにこにこ笑う横のアイルー達よりよっぽど猫のようだった。
「ねえ、エリザ」
「……ぁによ」
「わたしたちさ、パーティ組もうよ」
愕然とこちらを向いたエリザに、笑を崩さずリーゼロッテが続けた。
「ちょうどわたしが剣士でエリザはガンナーだし、どうせ他にこの村にはハンターもいないし」
「………………………………あ」
「あ?」
「あんたが先に断ったんじ
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