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銀河英雄伝説 アンドロイド達が見た魔術師
泥棒撃退マニュアル 安全な所で大声を上げて騒ぎましょう。
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 警戒しつつ、第十偵察隊の合流ポイントに向かう」

「了解しました」

 アルテナ航海長がほっとした声で進路を元に戻す。
 気が抜けたのか、アッテンボロー戦術長がぼやく。

「いいんですかね。
 俺たちがした事は、泥棒と叫んだ事ぐらいですよ」

「軍なんてそんなものさ。
 一将の功に万骨鳴ると。
 華々しい会戦の裏には、こんな功績にもならない日常が繰り返される訳だ。
 何よりも‥‥‥」

 皆が見つめている事に気づいて、ヤンは一息ついて本音を漏らす。

「敵も味方も殺さずにすんだ。
 それを喜ぼうじゃないか」

 多分、艦橋のスタッフがヤンの人となりを知って、ヤンを認めたのはこの時だったのだろう。
 それは、艦内にもゆっくりと伝わり、ヤンが将兵全員から艦長と認められるきっかけとなる。
 こうして、歴史に残る事はない小さな小さな戦いはその幕を下ろす。

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