フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第五十話 目指すは巨人の国
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化した流派である。正式名称は『神隠影無流隠行忍術』。所謂、忍者である(残念ながら蛙を口寄せできたりはしない)。
「烈・・・おれ達は泥棒でもなければ怪盗でもない。ましてや忍者なんてもってのほかだ」
「ああ、そうだな」
「ならば、玄関から入るのが人としての常識だと思うんだ」
「ハッキングしたやつが言う台詞じゃないよな」
ジト目で桜火に視線を向ける烈であるが、効果はいまひとつだ。
「んで、どうする?」
「・・・ここまで聞いといて引き下がれるわけねぇだろ。これ、ありがたく使わせてもらうぞ」
そういってテーブルの上においてあるソフトをかばんの中にしまう。
「ゲームの説明はいるか?」
「いや、兄貴に聞くからいらね。ナーヴギアで動くんだよな?」
「ああ。リスクはあるがそっちの方がキャラ育成はある程度はかどるぞ」
「了解」
ちょうどよく話が終わるのと同時に飲み物がなくなったため、喫茶店を後にする二人。烈は兄である迅のところにいくということなので早々に分かれる形となった。品川のマンションに戻るため東京駅の山手線ホームに向かおうと足を進めるが、その途中であることを思い出した。
「神隠、か・・・」
正直に言えば、伝がないわけではない。ある一人の人物が桜火の脳裏をよぎる。悪戯好きでよくその標的にされることもある。突拍子もないことに付き合わされて苦労をかぶることもある。だが――
「はぁ・・・」
ため息を吐くとスマホに指を走らせる。電話帳を開き、目的の人物を見つけると通話アイコンをタップする。しばらく聞こえた発信音が途絶えると久しぶりに聞く声が聞こえた。
『もしもし?』
「どうも。情事中にすまないな」
『かまわないわよ。今終わったところだから』
「・・・・・・」
冗談なのか本気なのかわからない返答に桜火は言葉を失う。電話越しにクスクスと笑う声が聞こえた。
『それで、どうしたの?』
「ああ、ちょっと頼みごとがあるんだ」
◆
ところ変わって場所は妖精郷闇妖精領地。自種族の領地の中をソレイユは歩いていた。先ほどメニューウインドウを開き、フレンドリストを確認したところ、目的の人物がログインしてたのでその人物がいる場所に向かって歩いている。目指すのは一際立派な建物――領主館である。
―――数分後
さすがにアポ無し状態でいっても合わせてもらえそうにないので、メッセージを飛ばしてアポイントを取った。ソレイユはそのことを門番らしきプレイヤーに伝えると、領主館内を案内された。執務室と英語で書かれたプレートがある扉をくぐると、眼鏡を掛けたルシフェルが真面目に領主の仕事をしているではないか。その目を疑う光景に一度頬をつねってみるがどうやら夢ではな
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