第十一話 閃光と弓兵
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きれてない。
私は言い返すことが出来ずに黙ってしまった。
「まぁ、確かに混乱して当然だな。何も分からずに戦争などと…。とりあえず移動しないか?ここでは話しづらいこともあるしな」
男はそう言うと私に近づきそして…
「…きゃっ!?」
そのまま抱きかかえた。
俗に言う「お姫様だっこ」と言うものだ。
「ちょっ…何するの!?」
「ん?君は動けそうもなかったのでな。抱えて私が走った方が早く着くであろう?」
私はまだ疲労がたまっており、まともに歩くことも難しいであろう。
だけど…わざわざこのような羞恥を私に受けろというのであろうかこの男は!?
「君の家は何処だね?さすがに場所が分からないと私も動きようがない」
男はそう言うと私に顔を向けながら問いかける。
……もう私に拒否権はない。
私は観念すると地図までの道のりが書かれたデータを男に見せる。
「ふむ、了解した。では少々飛ばすので、しっかり掴まっていたまえ。振り落とされないようにな」
「え…?ちょっとま……!?」
男は私を抱えながら風のように走り出した。
私の制止を聞くこともなく。
私はその日初めて生身で数十メートルの高さを飛ぶという経験をした。
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