暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
新たな我が家〜
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る。

「お、おはよ。・・・やだなぁ、見てたなら声かけてよ」

「いやあ、あんまり一生懸命やってるからさ」

「そんなことないよ。もう習慣になっちゃってるから・・・」

和人とも普通に会話出来るようになったし・・・うん、やっぱり家族は仲いい方がいいよな。ひねくれなかっただけマシかな。



「そっか、ずっと続けてるんだもんな・・・」

和人が直葉の竹刀を握り、軽く振って首をかしげる。

「軽いな・・・」

「ええ?」

和人の隣に座った直葉が和人を見る。

「それ真竹だから、けっこう重いよ。カーボンの奴と比べると五十くらい違うよ」

「あ、うん。その・・・イメージというか・・・比較の問題というか・・・」

・・・そりゃ、あの世界で剣を振ってりゃ軽くも感じるよな・・・

「でも、こう見てるとなあ・・・直葉、ちょっと試合やらない?」

「え?亮お兄ちゃんと?」


「お、いいな。面白そうだ」

「道場に防具あるだろ?直葉の見てたら試合したくなっちゃったよ」

「け、けど・・・目・・・」


「あ・・・」

そっか・・・直葉は、まだ・・・

「・・・」

俺は右目を親指で指差す。

「こんくらいハンデだハンデ。そんくらいないとなぁ。いっひっひ」

「む・・・」

直葉はムッとして俺を見る。

「ほほう、全中ベストエイトのあたし相手にハンデだなんて、随分余裕ですこと」

「ははっ、んじゃ行こうか」

俺達は敷地の東側にある道場目指して歩き出す。

「・・・」

道場に一礼してから上がり、支度をする。防具を着込んでから竹刀を握る。

ヒュン!

・・・よし、感覚は覚えてる。俺は両手で握り、中段に構えた。直葉も同じだ。

「直葉、そういや百本勝負なんてやってたよな」

「あ・・・よく覚えてたね、亮お兄ちゃん」


「戦績は俺の47勝48敗3分・・・後二回勝負だ」

「そ、そこまで覚えてたの・・・?」

「負けず嫌いだからね、俺。・・・兄貴、よろしく」


「ああ。それじゃ、一本勝負・・・始め!」


先手必勝!俺は素早く踏み込み、竹刀を打つ。

「ーーー!」



直葉が驚くのが分かった。だが長年の積み重ねか、驚きながらも回避された。

「やぁぁぁ!!」

直葉の動きが変わった。ちらりと面から瞳が見えた。・・・マジになったか。

ビュン!

「っとぉ!」

鋭い小手打ち。ギリギリ竹刀で払う。

「(思ってたより・・・早い!)」

そのまま攻防を続ける。小手、胴、面。


「(埒があかないな・・・)」

・・・まぁ、さっきから距離感を計れずに掠り始めてるが・・
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