新たな我が家〜
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
る。
「お、おはよ。・・・やだなぁ、見てたなら声かけてよ」
「いやあ、あんまり一生懸命やってるからさ」
「そんなことないよ。もう習慣になっちゃってるから・・・」
和人とも普通に会話出来るようになったし・・・うん、やっぱり家族は仲いい方がいいよな。ひねくれなかっただけマシかな。
「そっか、ずっと続けてるんだもんな・・・」
和人が直葉の竹刀を握り、軽く振って首をかしげる。
「軽いな・・・」
「ええ?」
和人の隣に座った直葉が和人を見る。
「それ真竹だから、けっこう重いよ。カーボンの奴と比べると五十くらい違うよ」
「あ、うん。その・・・イメージというか・・・比較の問題というか・・・」
・・・そりゃ、あの世界で剣を振ってりゃ軽くも感じるよな・・・
「でも、こう見てるとなあ・・・直葉、ちょっと試合やらない?」
「え?亮お兄ちゃんと?」
「お、いいな。面白そうだ」
「道場に防具あるだろ?直葉の見てたら試合したくなっちゃったよ」
「け、けど・・・目・・・」
「あ・・・」
そっか・・・直葉は、まだ・・・
「・・・」
俺は右目を親指で指差す。
「こんくらいハンデだハンデ。そんくらいないとなぁ。いっひっひ」
「む・・・」
直葉はムッとして俺を見る。
「ほほう、全中ベストエイトのあたし相手にハンデだなんて、随分余裕ですこと」
「ははっ、んじゃ行こうか」
俺達は敷地の東側にある道場目指して歩き出す。
「・・・」
道場に一礼してから上がり、支度をする。防具を着込んでから竹刀を握る。
ヒュン!
・・・よし、感覚は覚えてる。俺は両手で握り、中段に構えた。直葉も同じだ。
「直葉、そういや百本勝負なんてやってたよな」
「あ・・・よく覚えてたね、亮お兄ちゃん」
「戦績は俺の47勝48敗3分・・・後二回勝負だ」
「そ、そこまで覚えてたの・・・?」
「負けず嫌いだからね、俺。・・・兄貴、よろしく」
「ああ。それじゃ、一本勝負・・・始め!」
先手必勝!俺は素早く踏み込み、竹刀を打つ。
「ーーー!」
直葉が驚くのが分かった。だが長年の積み重ねか、驚きながらも回避された。
「やぁぁぁ!!」
直葉の動きが変わった。ちらりと面から瞳が見えた。・・・マジになったか。
ビュン!
「っとぉ!」
鋭い小手打ち。ギリギリ竹刀で払う。
「(思ってたより・・・早い!)」
そのまま攻防を続ける。小手、胴、面。
「(埒があかないな・・・)」
・・・まぁ、さっきから距離感を計れずに掠り始めてるが・・
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ