SAO編
episode6 虚ろな風と再びの火種2
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ほしいの。対策は、最大限立てておきたいし」
「……そうか」
「…っ、そして、もうひとつ。もしも戦闘になっても、私達は出来るだけ、死者を出したくないわ。勿論相手が抵抗を続ければ、全損もやむなし、とは考えているけど、それ以外にも方法を持っておきたいの。具体的には、『武器破壊』の使い手を探してるの」
「……そうか」
予想外の自体に、アスナは胸中で狼狽する。
彼女の予想では彼は怒りに狂っており、寧ろ「殺さずに捕える」という条件に納得してもらうために説得に来たのだ。こんな…まるで生きた屍のようになっているとは、思いもしなかった。
と同時に、アスナは、シドを励ますことが出来なかった。もし自分が最も愛する人を…あの黒装備の青年を失ってしまったらと考えると、軽々しく彼に言葉をかけられなかった。彼は今、まさにその状況にいるのだから。
「……っ」
口を開き、しかし何も言えずに、言葉を飲み込んだアスナを見て、シドは再び腕で目元を隠した。拒絶を表す意味ももちろんあったが、これ以上アスナにこんな自分の姿を見せたくなかった。そして、ア
スナに、これ以上そんな顔をさせたくなかったのだ。
互いの、無言。
それを破ったのは、それまで沈黙を守っていたもう一人の来訪者だった。
その一人は。
顔を隠したシドの横へとしゃがみこんで。
「っ…?」
胸倉を掴んで上体を無理矢理に引っ張り上げ。
「なんなのよアンタは!!!」
そしてその頬を全力で…音高く張り飛ばした。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ