第二章 A's編
第六十一話 『外伝9 はやての日常。そして忍び寄る不安』
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
げているのよ。
そして地面は荒廃していて炎があちこちの地面から上がっているといった感じの本当に寂しい世界…。私の原初の風景を現したような感じね」
「それは…確かに悲しい世界だね」
「うん。エミヤさんの心はどれだけ守護者という枠組みの中で壊され摩耗したのか想像できないね」
「確かにそれならシホと守護者のエミヤは別人だな。世界が違いすぎるからな」
ヴィータがそう言う。
そうやろな。
そんな世界には士郎にもなってほしくないのが本音や。
「それと呪文詠唱やけどあん時はゆっくり聞くこともできへんやったけどどういった意味なん?」
「…そうね。それじゃ…。
まずは私と士郎の詠唱から言おうかしら」
まず、と言葉に付ける。
もしかしてそこまでエミヤさんと内容も違うんかな。
「それじゃいくわね。
『体は剣で出来ている。
血潮は鉄で心は硝子。
幾たびの戦場を越えて不敗。
ただの一度も敗走はなく、ただの一度の勝利もなし。
担い手はここに孤り。
剣の丘で鉄を鍛つ。
ならば、我が生涯に意味は不要ず、
この体は、無限の剣で出来ていた』。
…これが私と士郎の固有結界の呪文詠唱よ」
なんて言えばええんやろ。
なぜか言葉が出てきん。
でも、それでもやっぱし…。
「…やっぱり少し寂しい呪文詠唱だね」
なのはちゃんがその素直な性格での言葉を述べた。
確かにそうやな。
これは確かに寂しいし悲しいもんや。
「…ねぇシホ。エミヤさんの方も知っているんだよね?」
「ええ」
「教えてくれないかな。そうじゃないと区別がちょっとつけられない…」
「わかったわ」
フェイトちゃんのお願いでシホちゃんはエミヤさんの呪文詠唱も唱え始める。
「…いくわ。
『体は剣で出来ている。
血潮は鉄で心は硝子。
幾たびの戦場を越えて不敗。
ただの一度も敗走はなく、ただの一度も理解されない。
彼の者は常に独り、剣の丘で勝利に酔う。
故に、生涯に意味はなく。
その体はきっと剣で出来ていた』。
…これが英霊エミヤの最果てにまで行ってしまったものの呪文詠唱よ。
私達の呪文詠唱は自身の生き方に対してある程度肯定的に対して、エミヤの呪文詠唱は自身の否定も含めたような意味合いが込められているのよ…」
確かにシホちゃん達のと比べてみるとやっぱり悲しい響きがあるんやね。
「なんつーかエミヤは正義の味方という事を最後までやり遂げたんだろ?
士郎に昔話で聞かされたけど最後は死刑台で首を吊りながらもこれですべての悪意は自身に向くと思い納得して逝ったっていう…。
あたしには残念だが考えられないな。そんな生き方は…。
しかもその果てには守護者とかいういつ終わるともわからない永遠の殺しを世界に要求された
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ