第30話 仲魔、仲間、友達。そして、家族(2)
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納得ができた気がします。
2人は、私が通ってきた道を通っているのです。人にないもの、それも、知られてしまえば今の生活が送れなくなってしまうほどの、途方もなく重たいものを抱えるっていう事がどれだけ怖いか。どれだけ心細くなるか、私は知っていたから、咄嗟に出てきたのです。
「ちょ、ちょっと待ってください。私達と離れていくって、どうしてそんな風に思うんですか? 私もすずかも、ちゃんと事情を知ってますよ」
私が自分の考えに納得をしている隣で、リリーさんへ更に疑問をぶつけていたアリサちゃんですが、急に何かに気が付いたようにはっと喋るのを止めます。それから少し自分の考えに没頭するかのように下を向いて、まとまったのかおもむろに顔をあげます。
「あの、それってやっぱりこの前の一件に――」
「だから、そこまでよアサリン。何回も言うけど、私からはそれについて言わないわよ」
アリサちゃんの言葉を、リリーさんが先回りして止めます。言いたい事を止められ、ぐっと何かに躓いたような顔をしたアリサちゃん。けれども、せっかく見つけたチャンスを逃す事はできません。
「……けど、事情を知らないと何で私達が離れてくんじゃないかって怖がってる理由も分からないじゃないです。
だからお願いします。少しでもいいんです、あの時の事を教えてくれませんか」
私が頼んでもダメかなぁ、と少し躊躇いながらも、私もリリーさんにそう言いました。するとリリーさんはそれを聞いて、ピクリと形のよい眉を動かします。
「へぇ。確かに、そう言われると弱いわねぇ。
……しょうがないわ。後で誰にも言わないでよ」
やった、とばかりに私達はその言葉を聞いて顔をみあわせます。ここ数日間ずっともやもやしてた気持ちがようやく晴れる、2人の頑張ってる友人の為に何かできると思うと、とても嬉しい気持ちになります。
「あぁもう、これで解決ってわけじゃないでしょうに。まぁいいわ。
それで何で悩んでるかだけど、単刀直入に言って、2人以外にもジュエルシードを集めている子がいたの。で、その子と種を巡って争いになったって訳」
リリーさんの口から出たのは、さっきまでの嬉しさを打ち砕くようなびっくりする内容でした。
「そんな、一体誰なんですかっ!」
アリサちゃんが机を叩いてリリーさんに問い詰めます。私も同じ気持ちで机の下で両手を強く握りしめます。
今まで街の為にって、責任を強く感じてたユーノ君の為にって頑張ってたのに、どうしてそんな事をその人はするのでしょうか?
「それが分かれば苦労しないわ。目的も、どこから来てるのかも謎。ただ分かるのはなのちゃんなんて目じゃない位に修練を積んだ魔導師で、すごいジュエルシードに執着してるって事だけ」
その人の事を思い
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