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戦国御伽草子
参ノ巻
守るべきもの

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仕方ない。由良は手燭を持っていないと言っていた。どうせ何も出ないだろうし、はやく戻ろう…。



 そう考えた途端、あたしの肩に後ろから手がぽんと置かれた。



「ひ…っ!?」



「おい」



 ぶすっとした声がした。



 それにつられてくるりと振り返れば、…なぁんだ速穂児じゃないの。



「脅かさないでよ」



「それはこっちの台詞だ。おまえいつの間にかいなくなるから」



 速穂児ははぁと溜息をついた。
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