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王道を走れば:幻想にて
第四章、その7の3:盗賊包囲
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梯子に手を掛けようとするも、放たれる男の突きを回避するため寝転がらざるを得なかった。

「ふんっ!!」

 男の力強い蹴りが梯子を蹴り倒す。唯一の逃げ道が封鎖され、否応無く一対一の状況が形成された。

(くそっ!!)

 集積された物資の袋を緩衝材として飛び降りるのも一つの手だが、碌に頭が回らぬ状態でそれを行うはかなりリスキーに感じる。受身に失敗すれば確実に捨て身となった男の攻撃を避けられなくなるからだ。倉庫の二階部分に窓が設置されていないのが、慧卓の心から余裕を無くす要因となっていた。
 追撃の剣が振るわれて慧卓は胸の前で何とかそれを受け止める。足を後ろに退かせながら剣の勢いを殺すも、更に振るわれた一撃によって慧卓は倒れこみ、己の生命線である剣を弾き飛ばされてしまった。

(やっべっ!?)
「とったぁ!!」

 歓喜に満ちた男は大振りに剣を振り翳す。慧卓は尻餅を付いた状態でをそれを仰ぎ見ながら、視界の端にきらりと何か光るものが飛来するのを視認した。それは幾度も横に回転しながら一秒も満たぬ速さで男の足に接触する。そしてそれが鉄剣の光だと理解した瞬間、男の左足が一挙に切断された。

「ァァアッ!?脚がぁぁぁぁ!!」

 剣先を床に落として支え杖とさせて男は苦悶する。千載一遇の機会を得た慧卓は、苦しむ身体を動かして足を払って剣を蹴り付ける。弱い力しか入っていないが、男の手から剣を奪うのに充分であった。剣は床に刀身を当てた後、床端から一階に向けて落ちていき、男は赤黒い肉から夥しい血を流しながら床に倒れこんだ。
 慧卓は漸く有利となった状況になって余裕を取り戻し、剣が飛来した方向を見遣った。二階の反対側の床板にチャイ=ギィが登っていた。肩を荒げて膝を突く彼女の懸命さに胸を打たれ、慧卓は残り僅かな体力を動員する闘志を滾らせた。
 立ち上がった慧卓は男の両肩を掴むと、ずるずると入り口の方へと引き摺っていく。

「来いっ・・・地獄に落としてやる!!」
「な、何をする気だっ!?よせ、止めろ!!」

 悲鳴も碌に聞かず、床板に血の轍が出来るのに目もくれず、慧卓は目的の場所へと辿り着く。真下にある、地面に突き刺さった鍬を見遣りながら慧卓は男を立たせた。そして彼を道連れにするように一階へ飛び降りる。姿勢を安定させるように男の顔に手を遣りながら慧卓は地面に落下し、男は鍬の真上に落着する。長い穂が男の背中を食い破り、胸を貫いた。

「ぎゃああああああああっっっ!?!?」

 けたたましい絶叫が落着した慧卓の耳を打った。男の胸元を食い破る際に飛び散った肉片と血液が、慧卓の顔に諸に直撃する。

「・・・これ、暫く匂い取れないな・・・」
「ケイタク様っ、確り!」
「しかも肉も駄目だろ、これ」

 愚痴を零しながら慧卓は身
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