ホワイトグリント撃破(後)
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りに格納装備が可能なこの小太刀は、確かに暗器として機能した。
『無駄だ、と言った』
だが、制御中枢を失った筈のホワイトグリントは、無造作に引き金を引く。
「何……?」
その動きに支障は全く見受けられない。
『さようなら』
そして次の瞬間、放たれた051ANNRの弾がアリーヤの胸部PA整波装置を貫通。再び集まりつつあったコジマ粒子が拡散し、AALIYAHの傷だらけの装甲と剥き出しになった内部機構を蹂躙する。
『静かに眠れよ。……リンクス』
致命的な損傷を受けた制御システムがその機能を停止させ、視界が急激に色あせていく。
──……ごめんなさい
伝説のオペレーターの告げる冷淡な謝罪の言葉と共にホワイトグリントが離れた直後、首輪付きの意識は透明な暗黒へと落ちていった。
『……馬鹿野郎』
最後に聞こえた言葉が誰のものであったかを理解することもなく。
──ラインアーク侵攻部隊壊滅。
オーメルが誇る最強のリンクスを投入し、新人とは言え恐るべき実績を叩き出していたスーパールーキーを同行させて、なおネクスト1機を葬ることが出来なかったという事実は、世界の勢力図を全面的に塗り替えた。
相次いでリンクスを失ったオーメルグループが空中分解。優秀なリンクスを有していたローゼンタールと、弱小連合と言うべきアルゼブラ、テクノクラート。コジマ技術を核にし、それなりの資本、兵力を残していたオーメル本社へと分裂したのである。
一方ラインアークは旗幟を鮮明にし、GA陣営に組することを発表。GAもまた、統治地域の民主化へのロードマップを発表し、ラインアークへの配慮を滲ませる。
安寧の中にいた揺籠の市民たちは、"世界の敵"が失われ、緩衝材となるべき第三極もまた消滅したことをようやくに理解したのである。
三竦み構造の崩壊はGA、インテリオルの直接的衝突を促し、世界は再び全面戦争への道を歩み始めたかに見えた……。
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