ホワイトグリント撃破(後)
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の直後、ホワイトグリントから放たれた銃弾がPAを貫通し、右肩のPA整波装置に突き刺さった。
『AP、90%減少!』
機体のアラートが鳴り響く。この先はちょっとした被弾でも機能を停止する危険性がある。のんびり飛んでいるわけには行かない。
「……一か八か」
調子の悪いOBを起動し、ホワイトグリントに突撃する。近距離瞬間火力重視の03-MOTORCOBRAを有効に使うには至近距離の張り付き戦をするしかない。その決断を出来ずにずるずると消耗戦を重ねていたが、消耗戦で勝てないというのは既に明白になりつつあった。
「飛び込む!」
AA発動。本来のKP出力と比べてしまえば程遠いものだが、それでも十分な威力は残っている。ホワイトグリントのPAが弾け飛び、ストレイドはその閃光の中に03-MOTORCOBRAを放ちながら飛び込む。ホワイトグリントは引き下がりながらも051ANNRのリロードを済ませていた。
「これで……」
ほぼゼロ距離からHLR71-VEGAを放つ。至近距離から放たれた太い閃光は一直線に伸び、ラインアークの名の基になった橋の基部に直撃。その上に陣取っていたノーマル部隊を海面へと叩き落とした。
「……外したか」
ホワイトグリントはQBで前進し、肩後方のOBユニットでHLR71-VEGAを弾いていた。背部ハードポイントは熱で融解していたが、それ以外に打撃は無い。
GA製の重量級ノーマル部隊の過半が推力を維持できずに沈没したが、それは彼らにとって関係ないことに過ぎなかった。
『……油断したか?』
接触回線。ホワイトグリントのリンクスから通信に思わず息を飲む。それはずっと正体不明だとされていたNo.9"Unknown"が初めて口にした言葉だった。
『同じ手は二度は喰らわない』
それでも、この展開までは彼の予想通り。
「まだ、さ」
ストレイドはエネルギーを失ったHLR71-VEGAをホワイトグリントに叩きつける。大質量を誇る大型の銃器はホワイトグリントの右腕部フレームを僅かに歪ませ、精密射撃という051ANNRの最大の武器を葬った。
『惜しかったな』
だが、ゼロ距離においてその事実は何の意味も持たない。ホワイトグリントは051ANNRを突きつける。
『警告はしました』
"彼"のオペレーターの淡々とした声が響く。それを聞く余裕など首輪付きに残されてはいない。そして同時に、まだ彼の攻撃は終わっていなかった。
「……"リンクス"を嘗めるなよ」
ストレイドは左腕のHLR71-VEGAを投げ捨て、格納領域からEB-O700を引き出す。返す刀でホワイトグリントの頭部を切り飛ばした橙色の閃光は、間違いなく切り札と呼べるものだった。
居合いの概念を取り入れたオーメル製の新鋭レーザーブレード。威力が低い代わ
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