ホワイトグリント撃破(後)
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はない。
『……退避しろ』
オペレーターにしてもこの状態で戦闘を続けて撃破できるとは思わなかったようだ。今まで一度も──グレートウォールで雷電にはち合わせたときでさえも──出したことがなかった、無条件での撤退の指示を出す。
「……そうも行かなくなってきたみたいです」
だが、ホワイトグリントとそのオペレーターの意思に関わらず、"ラインアーク"は此処で"企業のリンクス"を仕留める決意を固めていたようだ。
『ノーマル部隊だと? ……ラインアークも必死か』
今まで出てこなかったGA製ノーマルAC部隊が姿を見せつつあった。単機なら火力差を利用した包囲戦で撃破できると見込んだのだ。実際実弾防御がお寒いこの軽量フレームで耐えられるとは考え難い。
「この状態では逃げ切れません」
先程の被弾からストレイドのOBの調子は明らかに悪くなっていた。作戦領域外まで吹かし続けるには不安定すぎる。必ず途中で集中砲火に飲み込まれる。
かと言って、ノーマル部隊だけ撃破するのをホワイトグリントが許すかと言えばそれも否だろう。
「各個撃破で倒すしかないでしょうね」
それならば全て撃破する位しか手はない。ホワイトグリントを撃破し、ノーマル部隊の動揺の隙をついて離脱するのだ。
『最悪白旗でも』
肩の051ANAMをパージ。重量がフレーム設計時の想定値内に戻ったストレイドは速度を跳ね上げる。流石にステイシスのような超音速領域の戦闘は出来ないが、AALIYAHフレームも速度特化型で設計されていた。決して今の新鋭軽量フレームに劣りはしない。
「高速戦闘はランカーだけの特権じゃない」
次の瞬間、ストレイドが連続QBを発動。ステイシスにも劣らぬ速度でホワイトグリントに迫った。
本来のストレイドの機動力は高い。先程までの鈍重な動きが何かの間違いであるかのように俊敏な動作で閃光に迫る。
それは、"彼"が記録で"見せられた"映像と基本的には同じだった。すなわち──
「……読める」
目覚めたばかりで乗機に慣れていなかった"彼"にとって、それは僥倖とも言える事態だった。
普段"彼"を公私とも支えている支えているオペレーターは何故か、一切の指示を出してこない。当然、何故戦うかという理由も、依頼内容も理解できていなかった。
ただ、彼女のために戦わなければならないという事を感じ取っていただけである。そして、"彼"にとってそれ以上の事実は必要なかった。
アナトリアの傭兵に倒せない敵など存在せず、ラストレイヴンとは不敗の称号なのだから。
武器を殆ど持っていない純白のネクストは自らの傷を増やしつつも、ストレイドと呼ばれるネクストの力を徐々に、かつ確実に削いでいた。
03-MOTORCOBRAのマガジンを交換。最後の92発が装填される。そ
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