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戦闘描写練習文──ラインアーク攻防──
ホワイトグリント撃破(後)
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いた。
『貴様が何に怯えたのか』
 その言葉を聞いた首輪付きは、皮肉げに呟く。
「その誇りに呑まれるなよ、ランク1」


──目覚めさせたのは唯の鴉じゃないかもしれないのだから


 それを実証するかのようにホワイトグリントが掻き消える。
「……っ!」
 再起動前の鈍重だった動きが嘘のような超高速機動。予めその事態を想定していた首輪付きも反応しきれない。流石にカメラ性能が追い付かないのであれば追尾しようがなかった。
「速い……」
『貴様……!』
 今やホワイトグリントは、戦闘機をも上回る高速で純粋な攪乱を続け、こちらの二機の動きを分断しようとしていた。
 ……弾を一発も放つことなく。


「なんだ、これは……」
 軍事関係者であれば多かれ少なかれ、伝説と呼ばれるリンクスに畏敬の念を抱いている。
 だが、その動きを体験した者はその尊敬を簡単に捨ててしまう事が多かったと言われる。
「化け物、なのか……?」
 正確には、恐怖という原始の感情に押しつぶされ、他の感情を失うのである。


──あれは人間じゃない


 リンクス戦争を生き残ったほんの僅かの人数だが、とある記者の取材に応じることが出来たリンクス、レイヴンが、敵味方関係なく口を揃えて語ったという。


──鬼神、あるいは死神だ


 と。
『ストレイド、戦闘再開する』
 そして生き残ってその取材に応じることが出来たのは、その恐怖に飲まれなかった一握りの完成された戦士だけだったのである。
『オペレーター、指示を』
 彼女は自らの教え子がその完成された戦士であるかどうか、まだ確信が持てていなかった。
 ただ一つ言えることは、当初の見込みであった2機のネクストの連携によるスイッチング戦術が明らかに破綻したことだけだった。


 本来なら協働して戦うことも滅多にないリンクス同士。ステイシスとの連携は即席の物であっただけに崩壊も早い。接近と後退を繰り返すスイッチング戦術を基礎に据えていたストレイドと、中距離を保ち射撃戦で決着を図るステイシス。元々信頼関係も無く、基礎戦術も相違があった以上、共同して戦うこと自体に無理があったと言えるだろう。
 第一の破局はストレイドが後退するステイシスの援護に前進したときに起きた。ホワイトグリントの追撃タイミングを見誤った首輪付きは、OBを止める瞬間をほんの少し間違えたのである。
 その隙を見抜いたホワイトグリントはOBを使わずにQBで前進。ストレイドの後背に陣取る。QT(クイックターン)で即座にストレイドに向き直ると051ANNRで射撃。
 PAの内側から放たれたライフル弾が、閉じようとしているストレイドのOBユニットに直撃。小爆発を起こした。
「ぐっ……」
 耐圧ジェルでも誤魔化せない衝
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