暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
神珠湾攻撃
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描きながらカーディナルに迫る。

しかし、絶対の威力を誇るその斬撃は、いとも簡単に漆黒タキシード男の掲げた右手に防がれた。

ぎりっと歯軋りするカグラの真後ろから、漆黒の輝線が走り出る。




─── 交響曲(シンフォニー) 怠惰(スロウス) ───




ばしぃっ!という音が響き、今度は左手で防がれた。だが───

「む…………」

ぎりぎりとワイヤーが、不可視の結界にめり込んでいく。びし、びし、と亀裂が走り、ぶわっと宙空に衝撃という名の風が広がる。

一瞬の膠着状態。

「ほう!成長したな、少年!」

「そりゃドーモッ!!」

ぎいいぃぃィィーン!ぎゃりぃぃィィーン!

閃光と爆音が次々と鳴り響く。だが、擦り傷はおろか、切り傷すらも付けられない。

カグラも伴って攻撃するも、やはり目に見えた成果は実らない。

「くっ」

焦りをバカ正直に仮想体が読み取り、汗がレンのあごを伝う。このままではジリ貧だ、いずれレンもカグラも行動不能に追い込まれるだろう。

カグラもそれが判ったからなのか、表情が厳しい。

そんな中、当のカーディナルは涼しい顔だ。まるで、受けている攻撃を攻撃と認識していないかのような。

「どうした、少年?この程度のものなのか?」

「ハッ!どーだかねぇ!!」

確かに一般プレイヤーでは、神であるGMには勝てない。

さらには一般プレイヤーより位階が少し上のカグラであっても、やはり自らの創造主たるカーディナルには逆らえない。

そう、一般プレイヤーであれば。

レンは振り向いて、いまだシャツを掴んでいるマイに叫んだ。

「マイちゃん!そのシステムを起動してくれない!?」

切羽詰ったレンの声を聞いたマイは、純白の髪を振り乱して言う。

「だ、だめだよっ!これ以上あれを使ったら、レンの脳が───」

「そんなこと解かってる!!」

「解かってないよっ!」

マイの金と銀の瞳が、鼻がくっ付くような距離で濡れている。

「レンの脳細胞はもう限界なんだよっ!もう一回くらい使ったら、生命活動にも影響が出るかもなんだよ!!」

「それでも!そのBBシステムとかいう物を使わないと、あいつに勝てないし、僕はマイちゃんを失いたくない!!」

そこまで来て、急にマイが黙り込んだ。どうしたんだ、と思ってそちらを見るも、妙にマイの顔が赤い。

隣のカグラがぼそりと一言。

「存外、鈍感なのですね。あなたは」

「なにが?」

心の底から首を傾げるレンに、カグラははぁ、とため息をつく。

その隣ではマイも。二人はそのまま顔を見合わせて、もう一度大きなため息を一つ。

何だ?さっぱりわからない。

どこか諦
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