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失われし記憶、追憶の日々【精霊使いの剣舞編】
第五話「紅髪の少女 × 再会 = 波乱」
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。仲が良さそうなのかどうかは疑問だが、学院を案内してもらっていた」


「案内? なんで?」


「ああ。今日からこの学院に編入することになった。これからよろしく頼む」


「は?」


 目を丸くしたクレアは不思議そうな顔で首を傾げた。


「編入って、ここに? アンタ、男じゃない」


「知っての通り――」


 左手に刻まれた精霊刻印を目の前に見せる。


「俺は男の精霊使いだ。婆さんに呼ばれたのはそれ関係でな」


 半分は嘘だが半分は本当のことだ。ただ《精霊剣舞祭》のキーワードが抜けているだけ。


「まあ、そういうことだ。よろしく頼む」


「そう、なんだ……編入生……」


 俯いて何やら考え込んでいたクレアは急に顔をあげた。


「ねえ、この教室にいたってことは、もしかしてレイブン教室?」


「ああ、そうだ。君もか?」


「そうよ、あたしもレイブンなの!」


 なぜか上機嫌な様子で声を弾ませるクレア。なにやら嬉しそうだ。


「いいわ、なら同じクラスのよしみとしてリシャルトにチャンスをあげる」


 ピッと俺を指差して高らかに言った。


「あたしの契約精霊になりなさい!」


「断る」


「もおーっ、なんでよぉ〜!」


 二人しかいない教室にクレアの悲鳴にも似た声が響くのだった。


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