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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第二十四章 変化の始まり《4》
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すからね」
「恋和は朱鳥天の出だったね」
 ええ、とレヴァーシンクに答える。
 しかしここで何故、と問うのは禁止だ。日来にいる殆どの者は訳有りで、ここへ流れ着いた者達だ。その訳は本人が口にするまで誰も問わない、というのが日来の暗黙のルールだ。
 笑みの恋和は言葉を発する。
「それはさておき、もし朱鳥天と交戦になった場合彼方は時間稼ぎとして戦闘を長引かせると思うんですよ」
「朱鳥天には黄森と違って神騎がある。時間稼ぎなどしないで日来を潰しに来ると考えられるが?」
 言ったのは顎の獣毛を弄っているルヴォルフだ。
「空中戦になったらアタイとマギトが先陣切ることになるね」
「でも、マギトも入直も長時間は戦えないよ」
 微笑顔のマギトが言う。
「ペアのいない魔法術師はそれだけで戦うのには不向きだし、入直の神騎もエネルギーが無限ってわけじゃないしさ」
「アタイの神騎は陸空装備だから燃料がその分余分に食うんだよ。作業用神騎を使おうにも、戦闘用神騎にとってはウザったいハエ程度の存在さ。部品だけ失われるだけならだしも、機体ごと失ったら機械部はお仕舞いさ」
 機械部のお仕舞いは日来のお仕舞いだ。
 陸にいたときならばどうにかなったと思うが、空に浮いたまま今後は日来の修理していくことになるだろう。
 そうした場合、人では行けない場所も存在するため作業用神騎はそのときや、別の用件でも使うことになる。
 これらの理由から、やはり作業用神騎を戦闘に出すのは難しい。
 だからと入直は思った。
「魔法術師が空中戦の中心にならざる終えないね」
「そうなるよね。でも魔装備出来るのはマギトしかいないから、本当は戦わせなくないなあ」
 眉を下げるマギトの言うことは分かる。しかし、それでも頼らざる逐えない。
 悩みの空気が流れ始める。が、ここで離れた所で黙っていた社交院が入ってきた。
「まあ、一番は東の辰ノ大花に直で行くことですな」
 茶色の着物を着ている倉澤が空気を断つ。
 皆、会議場の端にいる社交院の方を向く。
 一斉にこちらを向いた学勢に少々驚き、何か言わなければならない雰囲気になった。
 額に汗をかきながら、ええっと、と言葉を置く。
「やはり海側から迂回して行くのが良いと考えますが、これだと時間が掛かり海岸際に戦闘艦を配置出来る時間を彼方に与えてしまう。……ううん、難しい選択になりますなあ」
「霊憑山を越えて朱鳥天の出迎えを望むか、海を航行し海岸際に配置された戦闘艦と戦うか、か」
 葉木原はこちらに選択させるような口調で言った。
 ここにいる三年一組の視線が自然と覇王会である者達の方を向いた。
 こういったときのための覇王会だ。社交院の四人も異論は無いと、黙って見ている。
 ここは覇王会として判断しなければならない。
 飛豊は
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